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脈が飛ぶ時は

[2022.01.27]

心臓は規則的に収縮を繰り返し、身体に血液を送っています。収縮により脈が生じます。体の主な場所では、首や手首で脈を触れることができます。下のページで脈を取る検脈について解説しています。

検脈

脈は一定のリズムで生じています。時に脈が飛ぶことがあります。「脈が飛ぶ」というのはどういうことなのか解説していきます。

 

正常な脈

脈は本来は規則的です。心臓は規則的に動いているからです。手首で脈を取ると一定のリズムを感じることができます。これが正常な脈です。

 

脈が1回だけ飛ぶ

脈は本来規則的ですが、たまに飛ぶことがあります。下の図の通りです。青が正常の脈ですが、オレンジは正常なタイミングと異なる脈です。これを期外収縮と呼んでいます。期外収縮の後は通常より脈の間隔が空き、脈が飛んでいるように感じます。

期外収縮は健康な人にもよく起きる不整脈です。不整脈の検査の時に24時間の心電図の検査を行うことがあります。期外収縮が1日の中で1回も無い人というのはほとんどいません。期外収縮がたまに起きるのみであれば大きな心配はありません。期外収縮については下のページで解説しています。

期外収縮

 

脈が不規則

脈が全く不規則になってしまうことがあります。下の図の通りです。この場合は脈の間隔が長くなったり短くなったりします。間隔が長くなった時は脈が飛んでるように感じます。

脈が不規則なのは、心房細動という不整脈です。心房細動は脳梗塞や心不全のリスクとなり、基本的に精密検査や治療が必要です。同じ不整脈でも、期外収縮と心房細動は全く別のものです。下のページで解説しています。

心房細動

 

正確な診断を受けるためには

脈が飛ぶというのは、期外収縮か心房細動によるものがほとんどです。実際に「脈が飛ぶ」という症状で来院される方は、大多数が期外収縮です。脈が飛ぶときに心電図を行えば正確な診断がつきます。今まさに脈が飛んでいるときは、心電図を行うことで診断がつきます。たまに脈が飛ぶけど、診察時は正常な脈 という時は24時間心電図や携帯心電計を使用します。ぜひお近くの循環器内科医にご相談下さい。

 

Apple Watchなどのデバイスについて

現状使用されている心電図や24時間心電図には大きな問題があります。「使用している時しか検査できない」という点です。医療機関では多くの方に医療を提供するので、連日24時間心電図を行なったりすることはできません。そこで期待されているのがApple Watchなどのデバイスです。技術的には人間の脈を何年も測定することが可能なようです。

現段階では精度や信頼性などの問題があるため、Apple Watchなどのデータは参考データとして扱っています。Apple Watchのデータを根拠に副作用のリスクがある薬を開始したりすることはありません。ただ個人的にはApple Watchなどのデバイスに非常に期待しており、いずれは不整脈の診断治療に大きく活用できるのではないかと考えています。

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