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心肥大、心拡大

心肥大、心拡大という言葉がよく使われています。この2つの言葉は混同されていますが、心肥大と心拡大は全く異なります。心肥大と心拡大についての解説を致します。

 

心肥大と心拡大の違い

心肥大とは、心臓の筋肉が厚くなってしまう状態です。心拡大とは、心臓自体が大きくなってしまう状態です。

心肥大とは心臓の内側に向かって筋肉が厚くなります。たまに「レントゲンで心肥大と言われた」という方にお会いすることがありますが、レントゲンで心肥大が分かることは有りません。レントゲンは下の図のように映ります。レントゲンは空気は通るため黒く、骨や水は白く見えます。心臓の中には血液があり、周りの肺には空気があります。そのためこのように心臓が映ります。赤で囲った部分が心臓であり、この白い部分を心陰影と呼んでます。この心臓の横幅が肺全体の横幅に対してどれくらいか調べることにより心陰影が拡大しているか調べます。心臓の横幅/肺全体の横幅を心胸郭比と呼んでおり、50%以下が正常です。50%以上の時は、心陰影拡大です。心陰影拡大の場合は心拡大している可能性があり、検査する必要があります。心肥大のみでは心胸郭比は正常範囲であることがほとんどです。心肥大が健康診断で見つかる際は、ほとんどの場合は心電図異常で見つかります。

 

 

心肥大とは

心肥大は心臓の筋肉の肥大を指します。心肥大は心不全の前段階です。心肥大の原因を特定し治療することが大切です。下のページで心肥大について解説しています。

心肥大

 

心拡大

心拡大とは、心臓自体が大きくなる状態です。心臓は収縮する力が低下すると、徐々に部屋が拡大していきます。そのため、心拡大は心臓の収縮力が低下している疑いがあります。

レントゲンで心陰影が大きくなる原因は他にもあります。例えばレントゲンは大きく息を吸い込み撮影しますが、うまく息を吸えないと横隔膜が上に上がり心陰影が大きくなります。また心臓が何らかの原因で横向きになっている場合も心陰影が大きくなります。そのため、心陰影拡大の際は心エコーで心臓を正確に測定し心拡大しているかどうかを検査します。

心エコーで心拡大している場合は、通常は心臓の収縮力が低下しています。その時点で心不全に当たるため、必ず治療が必要となります。どういった検査や治療を行うかは、心不全の項で説明します。

 

最後に

何となく使われている心肥大と心拡大という言葉ですが、心肥大や心拡大というのは単なる状態です。肥大型心筋症や高血圧性心肥大という言葉が病名に当たります。心肥大に当たるならその病名は何なのか、レントゲンで心陰影拡大であり行なった心エコーでどういった結果だったのか こういった情報を分かりやすく患者さんと共有するよう当院では取り組んでおります。何かありましたらぜひご相談下さい。

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