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狭心症、心筋梗塞

狭心症、心筋梗塞とは、心臓の血管が狭くなるもしくは詰まってしまう病気です。心臓の血管を冠動脈と呼んでいます。冠動脈は人体の中でも動脈硬化が起こりやすい血管です。狭心症、心筋梗塞は血管が狭くなってしまう動脈硬化により生じます。血管の内側にコレステロールの塊や血液の塊が生じることが原因です。血管についたコレステロールの塊をプラークと呼んでいます。

血管は徐々に狭くなって最終的に詰まってしまうものではありません。血管は一気に狭くなったり詰まったりします。何とも無かった方が急に心筋梗塞を生じることは珍しくありません。狭心症や心筋梗塞の進行については下のページで詳しく解説しています。

狭心症、心筋梗塞の進行

 

狭心症、心筋梗塞の症状

狭心症や心筋梗塞は心臓の血管が狭くなったり詰まってしまい、心臓への血流が不足してしまう疾患です。心臓の血管が多少狭くなっても、血流が不足していなければ狭心症ではありません。心臓への血流が不足すると、典型的には冷や汗を伴う胸部圧迫感が起こることが多いです。胸痛以外の自覚症状としてはあごの痛みや肩の痛み、上腹部の痛み、気分不快、失神などが起きるとされています。狭心症や心筋梗塞の痛みは、内臓痛と呼ばれる痛みです。胸全体の圧迫感と話す方が多いです。体の奥の内臓の神経は場所がはっきりしないのが特徴です。神経の走行などにより肩の痛みや歯の痛みと感じることもあります。唇からへそまでの症状は狭心症や心筋梗塞の可能性があると言われており、当院でもそれを意識して診療しています。

 

心筋梗塞

心筋梗塞は心臓の血管が詰まったことにより起こります。血管が詰まると血流がなくなり、心臓の筋肉に酸素が供給されなくなります。その状態が6-12時間続くと心臓の筋肉は壊死してしまいます。できるだけ早く治療できれば、心臓の筋肉の壊死を最小限に防げます。24時間程度胸痛が続くこともありますが、48時間以上胸痛がずっと続く場合は心筋梗塞の可能性は低いです。心筋梗塞を起こすと心電図に異常が残ることが多いです。以前は心電図に異常が残ったものを心筋梗塞、異常が残らなかったものを狭心症と呼んでいた時代がありました。今は有用な血液検査があり、少し定義が変わっています。20分以上の胸痛は心筋梗塞の疑いがあります。しかし20分以上胸痛が続いていて心電図が正常である場合は、心筋梗塞の疑いは低いです。

心筋梗塞は死亡率が高い病気で、現代の日本でも発症すると死亡率が3割に上ります。そのほとんどが24時間以内に亡くなり、突然死の原因にもなります。心筋梗塞を生じ数時間以内に生存した状態で医療機関に搬送されれば95%以上は助かりますが、搬送される前に亡くなってしまう場合が多いことが問題です。突然発症する病気でなかなか予測は難しいです。ただ心筋梗塞は半分の方に前兆があると言われています。前兆は胸痛が最も多いです。前兆の時点で見つけることが一番大切です。

 

狭心症

狭心症は心臓の血管が狭くなることにより起こります。心臓は運動した時に活発に動きます。これは運動時に筋肉や組織が酸素を必要とするからです。そのため運動時に心臓の血流が増えます。健常人では安静時の最大4倍の血流が心臓の血管に流れます。狭心症の場合は心臓の血管が詰まってはいないため、安静時には十分な血流が流れます。運動した際に必要な血流が確保できないという状態が狭心症です。典型的な症状としては労作時に胸が圧迫され、休むと治る という症状です。駅の階段のいつも同じ段数で胸が痛くなる といった症状は高い確率で狭心症です。症状は1分以上で、長くても10分程度で治ります。動くと苦しくなるため無意識に労作を避けてしまい、最近体力が落ちたと話す方の中にも一定数で狭心症の方がいらっしゃいます。

不安定狭心症

3週間以内に狭心症が出現した場合や増悪している場合は、不安定狭心症と呼びます。この場合は3週間以内に心臓の血管で動脈硬化が進んでいるということであり、今後心筋梗塞に移行してしまうことがあります。この場合は緊急で治療が必要です。

安定狭心症が疑われる場合

3週間以上症状が変わらない場合や、狭心症の疑いがあまり高くない場合は外来で検査を行っています。まず心電図や心エコーを行います。今までの胸の症状のどれかが心筋梗塞であった場合は、心電図や心エコーで診断が付くことがあります。純粋な狭心症の場合は、安静時の心電図や心エコーは正常です。その場合は、心臓の血管に狭いところがあるか実際に調べる必要があります。外来で行う場合は冠動脈CTという検査を行うことが多いです。造影剤を使って血管に色を付け、CTという輪切りの検査で血管を検査します。造影剤を使うためアレルギーや腎不全を起こすことが稀にある、どれくらい狭くなってるか見えづらいことがある といったいくつかの制限はありますが、正確性や簡便さなどから最も使用されている検査です。

 

狭心症、心筋梗塞の治療

心筋梗塞や狭心症と診断した場合は、多くはカテーテル検査/治療を行います。血管から管を入れ、狭くなった部分を直接風船やステントで広げる治療です。薬剤治療では狭くなった血管を広げることはできません。主に入院設備のある病院で行いますので紹介致します。

 

最後に

心筋梗塞の場合は多くは心電図で診断が付きます。当院では心筋梗塞の前段階である不安定狭心症を見逃さないよう特に気を付けています。狭心症は安静時の心電図のみでは診断がつかないことが多いです。その際は冠動脈CTは非常に有用です。「狭心症疑い」と長期間に渡り漫然と投薬されていることがあります。必要なら当院で正確に診断をつけることも可能です。特に冠動脈CTは非常に有用であり、必要な方には積極的に行っています。ぜひ胸部症状でお困りの際はご相談下さい。

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