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健康診断での異常

健康診断では下の4つに診断されます。それぞれの意味を理解し、有効に活用しましょう。

異常なし 実施した検査の結果の中では明らかな異常はありません。
要経過観察 軽度の異常を認めます。現時点では精密検査などは不要です。一部の疾患では食事や運動など気をつけ、再度検査を受けて下さい。
要精密検査 明らかな異常があり、診断を行うために追加で検査を受けて下さい。医療機関に必ず受診するようにして下さい。
要治療 明らかな異常があり、治療が必要です。医療機関に必ず受診するようにして下さい。

要経過観察や要治療の場合は医療機関を確実に受診するようにして下さい。放置していると病気が進行してしまう場合があります。

 

主な異常とその際の検査や治療について概説していきます。

血圧が高い

血圧は一日の中で大きく変動します。緊張時や運動時には健常人でも血圧が高値を示します。健康診断などで血圧が高い場合は、まずは自宅で少なくとも1週間血圧を測定するようお願いします。毎朝起きて食事の前に1-2分安静にして血圧を測定して下さい。当院受診時はPWV:脈波電波速度という検査で四肢の血圧や血管の硬化を測定し、治療の参考値としています。下のページをお読み下さい。高血圧症の本質は血管が固くなってしまう動脈硬化です。合わせてお読み下さい。

高血圧症

血管が固くなってしまう動脈硬化

 

心電図異常

心電図異常は、心エコーで精査しています。心電図異常で疑われる病気は心筋症や狭心症/心筋梗塞です。下のページをお読み下さい。

心電図異常

 

不整脈

不整脈の場合は、心電図があれば確定診断が可能です。不整脈疑いという場合は心電図を行います。それぞれの診断により必要なら治療を行います。下のページをお読み下さい。

不整脈

 

心雑音

心雑音は心臓内での血液の乱流により起きます。弁膜症で起きることが多いです。その他心筋症などでも生じます。心エコーで検査します。心エコーで異常がない場合は機能性心雑音と呼びます。機能性心雑音は貧血や甲状腺疾患で起きることがありますが、特に原因がない場合も多いです。下のページをお読み下さい。

弁膜症

 

レントゲン異常

レントゲンで異常を指摘された場合は精査を行います。肺や大動脈の異常の場合はCT検査を行います。心臓の異常の場合は心電図や心エコーを行います。レントゲンでの心陰影拡大については下のページをお読み下さい。

心拡大、心肥大

 

白血球異常

白血球とは血液中に存在する細胞で、細菌やウイルスからの感染を防いでいます。白血球の数に異常がある場合、一番多いのは感染症です。自覚症状が軽微な場合でも白血球が軽度高値を示すことがあります。頻度は非常に稀ですが、白血病などの血液疾患の可能性もあります。白血球異常の場合は通常再度血液検査を行い、白血球の細かい種類を調べています。

 

貧血

貧血とは血液中のヘモグロビンが不足した状態です。貧血の主な原因は出血です。最も多いのは消化管出血です。若い女性の方では月経が主な原因です。出血による鉄欠乏性貧血の場合は、鉄剤内服と出血源精査を行います。鉄欠乏性貧血以外には腎不全による腎性貧血や血液疾患がありますが、頻度は少ないです。

 

肝酵素(AST, ALT)高値

肝臓疾患により肝酵素高値が生じます。脂肪肝、アルコール性肝炎、ウイルス性肝炎などが原因となります。腹部エコー検査で原因を調べています。ウイルス性肝炎は種類によっては治療可能であり、必ず血液検査をしています。甲状腺機能異常により肝酵素上昇が起きることもあります。

 

γGTP高値

γGTP高値は肝臓や胆嚢の異常を反映しています。最も多いのはアルコールの過剰摂取と肥満です。脂肪肝や肝細胞癌などの肝臓疾患によりγGTP上昇することもありますが、その場合は通常肝酵素も上昇します。

 

クレアチニン(Cre)高値

クレアチニンは腎臓の機能を反映します。慢性腎臓病の時にクレアチニンが上昇します。脱水などで一時的に上昇することもあります。再度血液検査を行い、慢性腎臓病である場合は治療を行います。下のページをお読み下さい。

慢性腎臓病

 

中性脂肪高値、HDL低値、LDL高値

中性脂肪高値やHDL低値、LDL高値の場合は脂質異常症に当たります。下に脂質異常症、特に高LDL血症は分けて書いていますのでお読み下さい。なお甲状腺疾患により脂質異常症をきたす可能性があり、血液検査を行います。

脂質異常症

高LDL血症

 

中性脂肪低値、LDL低値

中性脂肪低値、LDL低値である場合は低脂血症と呼ばれます。甲状腺疾患により低脂血症が生じることがあり、血液検査を行います。一般成人に生じる低脂血症で甲状腺疾患でない場合は、特別な治療は不要です。

 

HbA1c高値

HbA1cは3ヶ月程度の平均血糖値を反映しています。糖尿病で上昇する値です。HbA1c 6.0-6.5%で糖尿病が疑われます。HbA1c 6.5%以上では糖尿病型にあたり糖尿病の可能性が非常に高いです。糖尿病は確実に医療介入が必要な病気であり、必ず受診するようお願いします。下のページをお読み下さい。

糖尿病

 

尿酸高値

尿酸はアルコール摂取や肉が多い食生活により上昇します。痛風関節炎や尿管結石の原因となります。薬剤治療で尿酸を低下することが可能です。

 

BNP/proBNP高値

BNP/proBNPは心臓を反映した数値です。異常を示した場合は心臓の精査を行います。心電図やレントゲン、心エコーを行います。具体的な心疾患が見つかった場合は、治療を行います。

 

ピロリ抗体陽性

ピロリ抗体陽性の場合は、「ピロリ菌に現在感染している」か「ピロリ菌に以前感染していた」の2通りが考えられます。以前にピロリ菌除菌歴が無ければ、現在の感染の有無を調べます。検査としては胃カメラを行います。ピロリ菌に現在感染している場合は除菌を行います。除菌を行うことにより将来の胃がんのリスクを下げることができます。

 

PSA高値

PSAは前立腺肥大症や前立腺癌で上昇する数値です。PSAが高値を示している場合はまず腹部エコーやMRIといった画像検査を行います。前立腺癌が疑わしい場合は泌尿器科で前立腺から細胞を採取して検査します。その場合は治療可能な医療機関に紹介します。

 

尿潜血陽性

尿潜血とは尿中に血液が含まれることを示します。原因としては膀胱炎や尿管結石、膀胱癌などが考えられます。運動後などに陽性になることもあります。女性の場合は月経による血液が付着することもあります。尿潜血が陽性の場合は尿検査を再度施行、膀胱癌の有無を調べる細胞の検査、腹部エコーを行います。

 

尿蛋白陽性

尿蛋白は慢性腎臓病で生じることがあります。健常人でも運動や立位といった刺激により少量の尿蛋白が出現することがあり、まずは尿検査を再度行います。尿蛋白を繰り返し認める場合は、慢性腎臓病として治療しています。下のページをお読み下さい。

慢性腎臓病

 

便潜血陽性

便潜血とは、便に血液が混ざっている状態です。主に大腸がんの検査として用いられます。便潜血が陽性の場合は、大腸カメラを行なっています。

 

甲状腺腫大

甲状腺とは喉の前にある小さい臓器です。甲状腺ホルモンを分泌しており、甲状腺に異常をきたすと全身の症状を来します。甲状腺の病気ではバセドウ病が有名です。甲状腺が腫大している場合は、甲状腺ホルモンの測定のために血液検査、甲状腺エコーという2つの検査を行います。

 

浮腫

浮腫は様々な原因で起きます。心不全、腎不全、肝不全、薬剤性、甲状腺機能低下症、特発性など多岐に渡ります。心不全の初期症状であることもあり、はっきりとした浮腫を認める場合は検査を行います。血液検査などを行います。下のページをお読み下さい。

足のむくみ

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