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息切れ

息切れとは呼吸をする時に苦しい、うまく空気を吸えないと感じる不快感です。多くの息切れの原因となる病気は1年程度で徐々に進行するため、『年齢のせい』と放置されることが多い症状の1つです。息切れの原因となる病気は健康診断では分からないことがあります。代表的なものは狭心症です。狭心症は健康診断で分からないことがあります。息切れの病態と原因について解説していきます。

 

息切れの病態

息切れとは呼吸をする時に苦しい、うまく空気を吸えない、疲れやすいなどといった症状を指します。呼吸がうまくいかなくなった場合に息切れを自覚します。人間は空気から酸素を取り込んで活動しています。

空気を口から肺に取り込む

肺で酸素を血液に取り込む

酸素を取り込んだ血液が心臓の力で全身に流れる

という流れで呼吸が行われています。この呼吸の流れに異常がないかを探すのが息切れの診療です。

 

息切れの原因

息切れは

  • 空気を口から肺に取り込めない→気管支の異常
  • 肺が酸素を血液に取り込めない→肺の異常
  • 酸素を取り込んだ血液がうまく全身に流れない→心臓の異常

と臓器別に考えます。他に筋力が落ちても息切れが生じます。

気管支の異常

気管支喘息

慢性気管支炎

肺の異常

肺炎

慢性閉塞性肺疾患(肺気腫)

心臓の異常

心不全

狭心症

弁膜症

上の病気が挙げられます。代表的な疾患について解説します。

 

慢性閉塞性肺疾患

慢性閉塞性肺疾患とは、COPDと呼ばれる病気です。以前は肺気腫や慢性気管支炎と言われていました。有害物質を長期間摂取が原因であり、ほとんどはタバコによるものです。40歳以上の8.6%、530万人が罹患しているとされています。

日本呼吸器学会 慢性閉塞性肺疾患について

タバコの有毒物質により慢性的に気管支の炎症が起きます。また肺自体の組織が壊れてしまい、肺気腫が生じます。慢性気管支炎による咳や痰、肺気腫による息切れが生じます。慢性閉塞性肺疾患の息切れは①気管支の炎症により空気が通りにくいこと、②肺の正常な組織が少なくなってしまっていること の2つが原因です。診断はスパイロメトリートいう呼吸の量を計測する検査を行います。慢性閉塞性肺疾患が進行するとレントゲンで異常が出現しますが、初期から中期ではレントゲンは正常です。

治療としては禁煙と吸入薬です。一般的には飲み薬はあまり使いません。肺炎が生じると重篤化しやすく、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの使用が推奨されています。

 

心不全

心不全は息切れの原因となります。通常だと足のむくみも生じます。慢性に進行し、半年ほどかけて徐々に息切れが進行することもあります。心不全の息切れは、肺に水がたまることや全身の血流が低下することが主な原因です。レントゲンで肺に水がたまっていれば心不全を疑います。肺に水がたまっていなくても疑わしい場合は、血液検査や心エコー検査を行います。詳しくは下のページをお読み下さい。

心不全

 

狭心症

狭心症は労作時に胸が痛くなることが多い疾患です。一部の方では痛みがなく、動くと苦しくなると感じます。そのため息切れで受診される方の中に狭心症の方がいらっしゃいます。労作時のみの症状の場合は、レントゲンや心電図は正常のことが多いです。そのため健康診断で異常がなくても、狭心症は否定できません。疑わしい場合は冠動脈CT検査で直接心臓の血管が狭いところがあるかどうかを調べます。詳しくは下のページをお読み下さい。

狭心症、心筋梗塞

 

弁膜症

弁膜症、特に大動脈弁狭窄症という疾患では、息切れが初期症状になることがあります。大動脈弁狭窄症で息切れが生じている時は、治療を行います。心エコー検査で診断を行います。詳しくは下のページをお読み下さい。

弁膜症

大動脈弁狭窄症

 

筋力低下

心臓や肺に異常がない場合考えられるのは、筋力低下による息切れです。心臓や肺には心配はないので、積極的に運動をして筋力を保つようにして下さい。一般的には「苦しくなる一歩手前まで」運動することが推奨されています。長く健康を保つよう、積極的に筋力を保つようにしましょう。

 

最後に

息切れは長時間をかけてゆっくり進行することが多い症状です。そのため医療機関を受診する方が比較的少ないように感じます。息切れは心電図とレントゲンの2つの検査で多くの情報が得られます。「去年できてたことができなくなった」「同世代の人と比べて疲れやすい」など、そういったことがありましたら当院をご受診下さい。

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