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肋軟骨炎とは?

[2022.02.15]

肋軟骨炎とは「胸が痛い」という症状をきたす頻度が多い疾患です。生命に関わることはほとんどない病気であり、あまり知られていません。強い胸痛を生じることがあり、「心臓や肺の病気ではないか?」と心配して受診されます。重篤な病気ではないですが、正確に診断することで不要な検査や治療を避けることができます。

 

肋軟骨炎とは?

肋軟骨炎は肋骨や肋軟骨の周囲の炎症です。肋骨や肋軟骨の周囲の組織には、筋肉や靭帯が含まれます。

 

肋軟骨炎の症状は?

体をひねったり、息を吸ったりすると胸が痛い というのが特徴です。両側に起きることはあまりありません。指で示せる範囲や、肋骨に沿った範囲に痛みが起きることが多いです。

深く息を吸うと肺が膨らみ、肺の外側の膜や肋骨が広がります。肺の外側の膜や肋骨/肋軟骨周囲の組織に炎症があると、肺が膨らんだときに痛みが生じます。

 

肋軟骨炎の原因は?

胸や背中をぶつけて肋軟骨炎を生じることがあります。これを外傷性肋軟骨炎と呼びます。また肺炎や肺がんにより肋軟骨炎と同様の症状が生じることがあります。外傷や肺の病気がない場合は、特発性肋軟骨炎と呼びます。多くは原因不明です。

人間は絶えず呼吸をしており、肺は1日に何回も拡張と収縮を繰り返しています。肋骨や肋骨の周囲の組織も常に動いています。呼吸運動や日常動作の中で、肋骨の周囲に炎症を生じてしまうことが原因と考えられています。特に咳やくしゃみは肋骨周囲に突発的な力が加わるため、肋軟骨炎の原因となります。

 

肋軟骨炎の検査は?

肺炎や肺がん、気胸といった肺の病気で肋軟骨炎と似た症状を起こします。また心臓の病気で胸痛を生じることもあります。胸部レントゲン、心電図検査を主に行います。肋軟骨炎ではどちらも異常がありません。

 

肋軟骨炎はどれくらいで治る?

2週間程度で自然に良くなることが多いです。まれに1ヶ月以上に渡って続くことがあります。

 

肋軟骨炎の治療は?

基本的には安静にして痛み止めを用いて炎症が治るのを待ちます。咳をしている場合は咳を止めるのが一番の治療です。肋軟骨炎の時は激しい運動で呼吸が大きくなってしまうことは避けた方がいいです。症状が長期化してしまう方が中にはいらっしゃるため、肋軟骨炎の診断がついた場合は痛み止めを1-2週間しっかり内服し炎症を抑えます。

 

最後に

肋軟骨炎は胸痛の原因の1つです。狭心症や心筋梗塞、気胸などで胸痛を生じることもあります。気になる方は下のページもぜひお読み下さい。

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