Brugada型心電図とBrugada症候群について
Brugada型心電図とBrugada症候群とは?
Brugadaは「ブルガダ」と読みます。Brugada型心電図とは日本人の健康診断で0.1%程度に認めるとされています。Brugada症候群という病気は突然死の原因となる病気ですが、厳密にはBrugada型心電図とBrugada症候群は異なります。Brugada型心電図は突然死のリスクにはならないとされており、特に治療なども必要ありません。ただその判断については必ず近くの循環器内科医にご相談下さい。
Brugada型心電図の特徴
Brugadaとはこの病気を見つけた人名です。Brugada型心電図とは心電図のV1, V2で特徴的な波形を指します。
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=9984
この心電図をBrugada型心電図と言います。この心電図異常は1日の中でも変動があることが知られています。少し心電図の貼る位置をずらすとBrugada型心電図になることもあります。疑わしい場合は何回か心電図の検査を行います。
Brugada型心電図の原因
心臓の筋細胞には電気が流れています。細胞の表面にチャネルという窓があり電気を作り出しています。Brugada型心電図はこのチャネルの異常によって起きるとされています。Brugada型心電図やBrugada症候群に関与している遺伝子も報告されていますが、日常診療で遺伝子検査を行うことはほとんどありません(保険適応外です)。
Brugada型心電図と言われたら、、、
Brugada型心電図の場合は、『Brugada症候群かどうか』の判断が非常に大切です。Brugada型症候群はBrugada型心電図に加え
- 心停止を生じたことがある
- 心室頻拍/心室細動という不整脈を起こしたことがある
- 不整脈によると考えられる失神を起こしたことがある
の中のいずれかが診断に必須です。45歳以下の突然死の家族歴が過去にはBrugada症候群の診断に含まれており、参考所見として扱っています。
Brugada型心電図の場合は
「今まで失神を生じたことがあるか?」
を必ずお聞きしています。失神が生じたことがある場合は、それが不整脈によるものか細かくお聞きします。不整脈によると考えられる失神がない場合は、24時間心電図や心臓超音波検査を行います。不整脈や心不全などがなければ、Brugada型心電図の診断になります。Brugada型心電図の場合は特に治療などは行わずに経過観察となります。
Brugada型心電図の方が失神した時は、不整脈の可能性が高いです。失神した時は必ず受診するようお願いします。
Brugada症候群の場合は?
Brugada症候群の場合は突然死を回避するため、植込み型除細動器を体内に植え込む手術を行います。Brugada症候群か判断が難しい場合は、カテーテル検査で不整脈が起きるか調べます。その場合は適切な医療機関を紹介します。
最後に
Brugada型心電図を指摘された場合は、過剰に突然死について恐れる必要はありません。お近くの循環器内科医を受診し、適切な対処を受けて下さい。