血圧の正しい測り方
血圧を家庭で測る重要性
血圧は1日の中で大きく変動します。睡眠や食事、運動によって血圧が上下します。家庭で測定する家庭血圧が高血圧の診断や治療において最重要視されています。医療機関で測った血圧だけでは高血圧症かどうかわからないことがあります。高血圧症の方は是非家庭血圧を測り、ノートやスマホのメモなどに記録するようお願いします。
血圧を測るタイミング
日本高血圧学会からの推奨に従い解説します。
- 朝晩の1日2回が理想的です。難しい場合は朝1回でもお願いします。
- 朝起きて、トイレに行った後に座って、1分安静にして血圧を測ります。食事や薬の内服を行う前に血圧を測って下さい。
- 晩は夜寝る前に、座った状態で1分安静にして血圧を測ります。
- 毎日が理想的ですが、2日に1回でも血圧は概ね評価が可能です。
「何回か測るうちに血圧が下がる」という場合は、1分間安静にしていないことがほとんどです。座ってゆっくりしてから、1回もしくは2回測定し記録して下さい。血圧には変動があります。高い値が出てもあまり気にせず、正確に記録して下さい。
血圧を測る部位
血圧を測るのは右上腕が理想です。
手首の血圧計は、人によっては10mmHg程度誤差が出ると言われています。大体の血圧は把握できますが、上腕の血圧計の方がより正確です。左手は心臓から遠いため、右手の方がより正確な血圧を表すとされています。5mmHg程度の誤差があるとされています。何回測っても左右で10mmHg以上血圧が違う時は、血管の病気を考えます。その場合は医療機関に相談して下さい。なお左右で血圧が違う場合は、高い方の血圧が本来の血圧です。
診察室血圧とは?
医療機関で測定した血圧を診察室血圧と呼びます。一昔前は診察の時にプシュプシュと血圧を測定していました。最近では診察室血圧に下に示すような問題があることが指摘され、家庭血圧を優先するようになっています。
- 1分以上安静にしていないことがほとんどである。
- 会話しながら血圧を測定するため、血圧が上がりやすい。
- 時間帯がバラバラである。
あくまで家庭血圧が測定できない方に対して、参考として診察室血圧を測定しています。
血圧が高いときは
家庭血圧135/85mmHg以上を高血圧症と呼びます。少なくとも1週間毎日血圧を測定し、平均の血圧が135/85mmHg以上である場合に高血圧症と診断しています。
健康診断で血圧が高いと言われた方は、是非家庭血圧を測ってみてください。高血圧症については下のページで解説しています。気になる方は是非お読み下さい。