胸が痛いけどこれって心筋梗塞?
今日のテーマは『胸が痛いけどこれって心筋梗塞?』についてです。心筋梗塞の胸の痛みの特徴について解説していきます。
まずはじめに
胸には肺や心臓といった身体の重要な臓器があります。胸痛は心筋梗塞などの重篤な病気の可能性があり、緊急性が高い症状の一つです。その中でも心筋梗塞は、現在でも死亡率が30%程度の恐ろしい病気です。しかもそのほとんどは、発症後24時間以内に命を落としてしまいます。心筋梗塞の胸痛にはいくつかの特徴があります。
- 痛みの時間
- 痛みの場所
- 痛みの種類
- 増悪因子(これをすると痛みが強くなるという行為)
の4つです。それぞれについて解説していきます。
1. 時間
心筋梗塞の胸痛は20分から24時間程度が最も多いです。1分以内の短い胸痛、48時間(2日間)以上続く長い胸痛は心筋梗塞の可能性は低いです。20分以上胸痛が続き自然に良くならない場合に、心筋梗塞の可能性があると判断します。
2. 場所
ここが痛いと指先で示すような狭い場所の痛みは心筋梗塞の可能性は低いです。『握りこぶしより小さい場所の痛みは心筋梗塞の可能性は低い』という言葉もあります。心筋梗塞では胸全体が締め付けられるという症状を起こすことが多いです。例えば
- 胸に像が乗っているよう
- 槍で胸が刺されたよう
という表現を使う方もいらっしゃいます。
ちなみに心筋梗塞で痛くなるのは胸だけではありません。心筋梗塞は心臓の痛み、内臓痛です。内臓痛は本来の内臓がある場所と離れた場所に痛みが起きることがあります。これを医学用語で『放散痛』と呼びます。
心筋梗塞で痛くなることがある場所は
- 歯
- のど
- 肩
- 胸
- みぞおち
こういった場所が心筋梗塞で痛くなることがあります。特にみぞおちは胃がある場所であり、『胃が痛い』とおっしゃられる方の中に心筋梗塞の方が含まれていることがあります。『口からへそまでの症状は心筋梗塞の可能性を考える』と言われています。
3. 痛みの種類
チクチクした痛みは心筋梗塞の可能性は低いです。
- 胸が締め付けられる
- 冷や汗や息苦しさ、吐き気を伴う
- 胸に加えて左肩や喉も痛い
こういった症状の時に心筋梗塞を疑います。
4. 増悪因子
増悪因子というのは『これをすると痛みが強くなるという行為』です。例えば「押すと痛い」、「体をひねると痛い」、「寝てる状態から起き上がると痛い」といった痛みの場合は心筋梗塞な可能性は低いです。
まとめ
典型的な心筋梗塞の胸痛を示します
- 時間は20分以上
- 場所は胸全体
- 種類は締め付けられるような痛みで冷や汗や息苦しさを伴う
この症状が典型的な心筋梗塞です。しかしながら非典型的な心筋梗塞も数多くあります。例えば
- 何となく胸の違和感がある
- お腹が痛い
あとはごく稀に
- 痛くは無いけど気持ち悪い、吐いてしまう
こういった症状で心筋梗塞ということもあります。
典型的には20分以上続く胸全体が締め付けられる症状ではあるんですが、もし典型例に当てはまらなくても気になるような症状があれば医療機関を受診するようにしてください。以上心筋梗塞の胸痛の特徴についてでした。
胸痛や心筋梗塞については下のページで細かく解説しています。気になる方はぜひお読み下さい。