認知症になるとどうなるの?
今日は認知症になるとどうなるのかということについてです。認知症は時間をかけて進行します。例えば一番多いアルツハイマー型認知症ですと8-12年、約10年くらいかけてゆっくり進行すると言われています。更に言うとアルツハイマー病は時間をかけて進行し、アルツハイマー型認知症を発症するまでに何十年もかかります。認知症になるとどうなるかを解説していきます。
FASTとは?
ここではアルツハイマー型認知症に使用するFAST(ファスト)という考え方をもとに解説していきます。
FAST | 代表的な症状 | |
1 | 正常 | |
2 | 正常老化 |
物の置き忘れなど |
3 |
軽度認知障害 MCI |
複雑な仕事の効率が低下する 日常生活には支障がない |
4 | 軽度アルツハイマー型認知症 |
家計の管理が困難 買い物で同じ物を買う |
5 | 中等度アルツハイマー型認知症 |
気候にあった服を選べない 着替えや入浴を嫌がる 迷子になる |
6 | やや高度のアルツハイマー型認知症 |
1人で入浴できない 遠くに住んでいる家族の顔を忘れる 尿失禁、便失禁 |
7 | 高度のアルツハイマー型認知症 |
限られた言葉しか話せない 言葉を理解できない 歩行できない |
FAST1と2が正常、FAST3が軽度認知障害、FAST4以降が認知症とされています。
FAST3
FAST3は認知症ではないため日常生活には全く支障がない状態であり、もちろん一人暮らしも可能です。1人で新しい場所へ旅行するのは少し難しいことがあります。家事や買い物などの日常的な作業は問題ありません。
FAST4
次にFAST4です。ここから認知症と呼んでいます。FAST4は軽度の認知症と呼ばれており、日常生活の複雑な作業が困難になります。男性だと買い物、女性だと家計管理が難しくなることが多いです。長年してきた慣れた作業、例えば女性の方だったら料理などは問題なくできます。できない一部の作業だけしっかりサポートすることによって、日常生活には大きな支障は出ません。
FAST5
次にFAST5です。FAST5では家の中での基本的な生活にも支障が出てきます。例えば季節に合った服を選べない、お風呂に入ったか忘れてしまってお風呂に入らない日が続いてしまう、家を片付けられなくて家が散らかってしまう といった状態になります。FAST5では料理や洗濯、掃除など基本的な家事もできないことが増えてくるため、一人暮らしはサポートがないと難しいです。FAST5の認知症で一人暮らしの方は何らかの社会サービスを使って
家事を手伝ってもらう、家族がサポートする、サービス付きの高齢者マンションや施設に入所する そういった選択肢を検討していく必要があります。
FAST6
次にFAST6です。FAST6では日常動作が困難になります。1人でお風呂に入って体を洗ったり、自分で着替えたりそういった作業ができなくなります。日常生活の多くの場合に誰かのサポートが必要になります。
FAST7
次にFAST7です。FAST7では会話が困難になります。会話の内容を理解することが難しくなって意欲が消失してしまうため、ほとんど家でずっと寝てみるという状態になってしまいます。
まとめ
FAST4 軽度のアルツハイマー型認知症からFAST7 高度なアルツハイマー型認知症までは
10年くらいかけてゆっくり進行する と言われてます。『認知症になると急に何も分からなくなる』『1ヶ月で会話ができなくなる』といったことは明らかな間違いです。今ご自身で外出されたり家事をされてる方が、1年くらいで認知症で急に寝たきりになることは基本的にはありません。10年ほどかけて徐々にゆっくり進行しますまた環境や薬で進行を遅らせることも可能です。1,2年後の進行を見据えて将来設計をしていくことが大切です。
以上認知症になるとどうなるの?についてでした
最後に下のページで認知症について解説しています。よければご覧下さい。