心電図って何を見てるの?
まず初めに心臓は電気で動いています。心臓に電気が流れているから、一気に心臓が収縮して血液を送り出すことができます。心電図とは心臓の電気活動をグラフに記録する検査です。これが心電図の例になります。
これは私のなんですが正常所見です。
- 心電図をどう読んでるのか?
- 心電図から何がわかるのか?
を『ごく簡単に』解説していきます。
心電図の波形
ひとつの尖った山の塊を抜き出すとこういった形になります。それぞれの部分に名前があります。
P波
一番左側の小さい山をP波と呼びます。心臓にはいくつか部屋があるんですが、上の部屋を心房と呼びます。P波は心房の収縮を示します。心臓では心房から心室に、電気が上から下に流れます。なのでP波が一番最初に来ます。P波があるということは、心臓の電気は正常通り心房から心室に流れています。心房からの電気が正常に流れていると、心臓は一定間隔で規則正しく動きます。そのため心電図の山と山の間の間隔も一定です。P波があって規則的これを正常洞調律と呼んでいます。正常洞調律とは、不整脈ではない正常な脈という意味です。
QRS波
次にこの尖った波をQRS波と呼びます。QRS波は心室の収縮を表します。心室とは心臓の下の部屋であり、血液を心臓に送り出しているポンプの部分です。QRSの電気が下向きな場合をQ波と呼んでいます。Q波があるというのは「そこに電気が流れてない」、「そこに心臓の筋肉がない」ということになります。なのでQ波がある時は『以前心筋梗塞を起こしたかもしれない』と判断します。
ST
次にこの部分をSTと呼びます。ST部分は急性心筋梗塞の時に上昇します。
この心電図は急性心筋梗塞の方の心電図です。QRS波の直後のST部分が上昇しています。また狭心症や心筋症の場合はSTは下がることが多いです。
結局心電図をどう読んでいる?
心電図は波形を分解し、それぞれの部分について異常がないかを判読しています。
- P波
- QRS波
- ST
それぞれについて正常かどうかを調べています。
- P波が正常→不整脈ではない
- QRS 波が正常→昔の心筋梗塞は無さそう
- STが正常→今の心筋梗塞や狭心症、心筋症(心臓の筋肉の病気)はなさそう
ということがわかります。
心電図を読むことにより
『不整脈かどうか』
『心筋梗塞や狭心症の疑いがあるか』
『心筋症や心不全の疑いがあるか』
こういったことがわかります。ここに疑いと書いていますが心筋梗塞や狭心症、心不全は心電図だけで分かるものではなく、他の検査を組み合わせて診断します。
まとめ
心電図は心臓の基本的な検査です。胸や手足に電極というシールを貼るだけで簡単に行えます。そのため健康診断でもよく行なわれています。
簡単な検査ですぐに結果が出ます。さらに値段も安いというメリットがあります。その割に非常に色んなことが分かり、心臓の診療では欠かせない検査です。以上『心電図って何を見てるの?』についてでした。