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心筋梗塞の胸痛の特徴

[2021.12.27]

心筋梗塞とは心臓の血管が詰まってしまう病気です。現代でも発症すると3割程度の方が命を落とすとされている怖い病気です。心筋梗塞を生じると、多くの方は胸痛を起こします。心筋梗塞の胸痛には下のような特徴があり、それぞれについて解説します。

  1. 胸部全体が締め付けられるような圧迫感
  2. 冷や汗や吐き気を伴う
  3. 左肩や左腕、歯、背中などに痛みが広がる

 

心筋梗塞の胸痛の特徴1:胸部全体が締め付けられるような圧迫感

心筋梗塞は心臓の血管が詰まってしまう病気です。心臓の血管が詰まってしまうと、血管の先にある心臓の筋肉への血流が遮断されてしまいます。その状態が続くと、心臓の筋肉が壊死してしまいます。心臓に限らず内臓の痛みは、場所がはっきりしない痛みとして体は感じます。左胸の指で「ここが痛い」と示せるような範囲の痛みが心筋梗塞であることは少ないです。心筋梗塞を生じた方は、「胸全体が締め付けられる」「胸が象で踏まれたよう」と話されることが多いです。

 

心筋梗塞の胸痛の特徴2:冷や汗や吐き気を伴う

心臓には自律神経が存在しています。自律神経は血圧や脈拍、内臓の働きなどを調整しています。心筋梗塞を生じると自律神経のバランスが大きく崩れます。そのため内臓の働きに異常をきたします。特によく起きる症状として冷や汗、吐き気が挙げられます。より高度な症状をきたすと、意識を失うこともあります。

 

心筋梗塞の胸痛の特徴3:左肩や左腕、歯、背中などに痛みが広がる

心筋梗塞では左肩や歯の痛みと感じることがあります。これを放散痛と呼びます。放散痛とは心臓から離れた場所に起こる痛みであり、心筋梗塞の放散痛として最も多いのは左肩と左腕です。放散痛の原因は、心臓の近くに左肩や腕に流れる神経が集まっていることです。心筋梗塞による刺激が左肩の神経に伝わると、左肩の痛みとして感じます。口から臍までの痛みが生じる可能性があると言われています。右肩にも起こるようですが、体の左半身がほとんどです。

 

心筋梗塞の可能性が低い胸痛の特徴

逆に心筋梗塞ではなさそうと考える胸痛の特徴は下の通りです。

  1. 押して痛い場所がある。体をひねると痛い。
  2. 1分未満、もしくは48時間以上の胸痛。
  3. チクチクした痛み。

 

最後に

心筋梗塞の症状は非常に多彩です。全員が強い胸痛を生じるわけではありません。胸の痛みがなく、「左肩が痛い」「気分が悪い」といった症状で心筋梗塞と診断されることもあります。心筋梗塞は心電図を行うことによりほぼ間違いなく診断が可能です。上の特徴を満たさない場合も、胸痛などの症状が生じた場合は近くの循環器内科を標榜する医療機関を受診するようお願いします。

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