ストレスと頭痛の関係
「仕事や人間関係のストレスで頭痛がする」
といったことをお聞きすることがあります。ストレスにより頭痛が生じることは、医学的に研究されています。ストレスと頭痛の関連性について解説します。
ストレスと頭痛の関係
頭痛はストレスとの関連が強い症状です。頭痛症の大部分は片頭痛と緊張型頭痛です。稀ですが重要な頭痛の原因として、脳卒中が挙げられます。いずれの頭痛においても、ストレスとの関連が報告されています。
ストレスと片頭痛
片頭痛は様々な要因により悪化することが知られています。食べ物や睡眠時間などの生活習慣が関与しています。妊娠中は片頭痛が軽減すると言われています。
片頭痛が増悪する原因の中で影響が大きいものは
- 身体的、精神的ストレス
- 月経周期
- 天候や気圧の変化
が挙げられます。特に身体的、精神的ストレスは最も片頭痛に影響が大きいと考えられています。実際に転職や離婚、抗不安薬の投与を機に片頭痛が軽くなるといったことを経験することがあります。片頭痛の発作に悩む場合は、一度発作がいつ起きているか手帳などに記載して関与している原因を突き止めていくことが有効かもしれません。
ストレスと緊張型頭痛
緊張型頭痛は、片頭痛以上にストレスが関与していると言われています。長時間同じ姿勢を取ったりパソコンを操作するといった身体的ストレス、仕事などの精神的ストレスが関連しています。首の筋肉の緊張や脳内の痛みの調整機能がうまく働かなくなってしまうことが原因です。緊張型頭痛は片頭痛に比べて頭痛自体は軽いことが多いですが、慢性化してしまうと生活の大きな支障になります。
ストレスと脳卒中
ストレスのみで脳卒中を起こすことはありませんが、ストレスは間接的に脳卒中を増やすとされています。脳卒中は一つの原因で起きることは少なく、遺伝的な要因や喫煙、運動不足、高血圧症、糖尿病、年齢といった様々なことが複合して生じます。ストレスもその1つとされています。2015年の中国の研究では、ストレスの多い仕事に就いている方はそれ以外の方と比較して脳梗塞のリスクが58%高かったとされています。
ストレスの多い仕事は脳卒中リスクを上昇:保健指導リソースガイドより
Association between job strain and risk of incident stroke(Neurology: November 10, 2015; 85(19)
最後に
ストレスは頭痛の主要な増悪因子です。慢性的な頭痛に悩む方は、日常生活のストレスに問題があるかもしれません。頭痛の記録を付けて、原因を調べることで頭痛を軽減できることがあります。お困りの際はぜひご相談ください。