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【循環器専門医が解説】高血圧のNG行動

[2025.11.17]

 

 

🚨【専門医が警告】血圧の薬飲んでるだけじゃ意味がない?高血圧の治療効果を半減させるNG行動3選

みなさん、こんにちは。すみだブレインハートクリニック院長の玄です。

「血圧の薬を飲んでいるから大丈夫」—もしそう思っているなら、今すぐ考えを変えてください。

残念ながら、日本では薬を服用していても血圧のコントロールが不十分な方が半数以上もいらっしゃいます。年間17万人もの方が高血圧が原因で命を落としており、この状況は先進国で最悪です。

なぜこのようなことが起きているのでしょうか?

実は多くの患者さんが気づかずに続けている、**治療効果を半減させる「3つのNG行動」**があるのです。

現役の循環器内科医である私が、この3つのNG行動について徹底解説します。この記事を最後まで読めば、あなたの血圧コントロールを劇的に改善し、将来の命を守るために今日からできることがすべて分かります。


💔 なぜ高血圧の治療が必要なのか?(サイレントキラーの正体)

高血圧は自覚症状がほとんどないため、「ちょっとした体の不調」と軽く捉えられがちですが、血管には着実にダメージを与え続ける**「サイレントキラー」**です。

血圧が高い状態が続くと、血管が硬くなる動脈硬化が進行します。このダメージが蓄積すると、やがて心筋梗塞、心不全、脳卒中といった命に関わる病気を引き起こします。特に明け方の急激な血圧上昇(早朝高血圧)時にこれらの病気が発症しやすいことがわかっています。

薬を飲むことは、将来これらの病気になるリスクを遠ざけるための、毎日の予防なのです。


⚠️ 現役医師が警告!治療効果を半減させるNG行動3選

あなたが無意識に行っているかもしれない、高血圧治療を妨げる具体的な3つの行動について解説します。

1. 病院でだけ血圧を測る

「面倒くさい」「病院で測ってるから大丈夫」—その考え方が一番危険です。

高血圧の治療において、最も信頼性が高く、脳や心臓の病気との関連が強いのは家庭での血圧です。高血圧治療ガイドラインでも、「家庭での血圧を優先する」と明記されています。

家庭血圧が優先される理由

  • 真の血圧の把握: 診察室では緊張などで血圧が高くなる**「白衣高血圧」や、逆に診察室では正常なのに家庭で高い「仮面高血圧」**を見逃しません。

  • 早朝高血圧の発見: ほとんどの人は朝に血圧が高くなりますが、一部の人は危険なレベルで急上昇する**「早朝高血圧」**を起こしています。これは家庭での朝の測定でしか発見できず、心筋梗塞や脳卒中のリスクが格段に高まります。

高血圧の診断や薬の調整には、家庭血圧の値が不可欠です。毎日正しく測定しないと、医師はあなたに最適な治療ができません。

✅ 正しい家庭血圧の測り方

  1. 朝と晩、毎日同じ時間に測る:

    • 朝: 起床後1時間以内、排尿後、朝食前、薬を飲む前。

    • 晩: 就寝前。

    • ※難しい場合は朝だけでも必ず測りましょう。

  2. 座って、1~2分安静にしてから測る: 座位で足を組まず、リラックスした状態で行います。

  3. 2回測って平均値を記録する: 1回目は高めに出ることがあるため、2回の平均を記録しましょう。

2. 「たかがいびき」と放置している

最近、家族に「いびきがうるさい」と言われていませんか?それは心臓からのSOSかもしれません。

**睡眠時無呼吸症候群(SAS)**は、寝ている間に呼吸が止まる病気です。高血圧の方の2〜3割がSASを患っていると言われています。

SASが高血圧を悪化させるメカニズム

呼吸が止まると体内の酸素濃度が低下し、脳がパニックになって「酸素を補給しろ!」と緊急指令を出します。その結果、心臓は夜中も激しく働き続け、血圧が急上昇します。

重症SASでは、毎晩何百回も血圧が繰り返し上昇するため、心臓はオーバーワークとなり、動脈硬化がさらに進行します。中には、薬を何種類飲んでも血圧が下がらない方が、SASの治療を始めた途端に血圧が安定し、薬の量が減らせたケースもあります。

重症SASを未治療で放置すると、心不全や心筋梗塞、脳卒中などにより10年で3〜4割が亡くなるというデータもあり、決して侮れない病気です。

✅ 今日からできる対策

  • 医療機関に相談する: 「いびきがうるさい」「朝起きてもスッキリしない」「日中に眠くなる」といった心当たりがある方は、かかりつけ医で**『睡眠時無呼吸症候群の検査』**について相談しましょう。

3. 血圧が高い時だけ薬を飲んでいる

「血圧が高い時だけ薬を飲めば大丈夫」—これは最も危険な誤解です。

高血圧の薬は、風邪薬のように症状が出た時に飲むものではありません。**毎日決まった時間に服用することで、24時間かけて血圧を安定させ、血管や心臓を守る「予防薬」**なのです。

薬の自己判断服用が危険な理由

薬を飲んだり飲まなかったりすると、血圧が激しく乱高下し、かえって血管に大きなダメージを与えます。この状態は、血管にとってジェットコースターに乗っているようなもので、動脈硬化を悪化させてしまう可能性があります。

高血圧は、一生付き合っていくべき慢性疾患です。「薬を飲むことで、将来の命を守るための努力をしている」という意識を持ち、医師の指示通りに毎日服用することが不可欠です。


🚫 番外編:最も危険なNG行動

医師の許可なく薬を自己判断でやめてしまう

「血圧が正常値になったから、もう薬は必要ないだろう」と自己判断で薬をやめてしまう方がいらっしゃいます。

しかし、血圧が安定しているのは、薬が効いているおかげです。薬をやめると血圧は再び上昇し、元の高血圧の状態に戻ってしまいます。

血圧の薬をやめるかどうかは、必ず医師に相談してください。医師が総合的に判断し、慎重に検討します。決して自己判断で薬をやめないことが、あなたの命を守るための最も重要なルールです。


✨ まとめ:今日からできる3つのアクション

せっかくの治療効果を台無しにしないために、今日から以下の3つのアクションを実践しましょう。

# NG行動 今日からできるアクション
1 病院でだけ血圧を測る 朝晩で家庭血圧を測り記録する
2 「たかがいびき」と放置する いびきがあれば受診・相談する
3 血圧が高い時だけ薬を飲む 毎日決まった時間に服用する

高血圧は、**「なんともない時から治療しないといけない」**病気です。あなたの未来は、今日の小さな行動で変わります。

もしこの情報で「もしかして」と感じた方は、ぜひ一人で抱え込まずに、まずはかかりつけのお医者さんに相談してみてください。早期に気づき、正しい知識を持つことが、将来の健康を守る第一歩です。

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