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頸動脈エコー

当院では頸動脈エコーを主に生活習慣病の方に行なっています。頸動脈エコーで血管が狭くなってしまう動脈硬化の有無とその程度を調べています。血管が狭くなってしまう動脈硬化は、心臓から体に血液を送る幹である大動脈から始まります。大動脈から心臓の冠動脈、脳に向かう頸動脈に動脈硬化が広がります。体の主な動脈は深い部位を走行していますが、頸動脈は浅い部位にあり簡単に観察し計測することができます。頸動脈とは首を走る動脈で、脳に向かっています。左右で2本あり、エコーで血管の大部分を観察できます。実際に動脈硬化している様子をはっきりと画像で見ることができます。

当院では下記のガイドラインを参考に頸動脈エコーを行なっています。

https://www.jsum.or.jp/committee/diagnostic/pdf/jsum0515_guideline.pdf

 

頸動脈エコーの実際

頸動脈エコーでは血管がこのように映ります。

 

左の画像の真ん中に映っている円形の黒いスペースが総頚動脈です。この血管を通って脳に血液が流れています。右の画像は血管を縦に切った画像です。血管の太さは7-8mmとされています。この場合だと8.0mmで正常範囲です。IMTというのは血管の壁の厚さです。下の図のように動脈硬化が進むと血管の壁が厚くなってしまいます。

 

IMTの正常値については後の章で細かく解説しています。この場合は0.64mmと正常範囲です。

総頸動脈の血流を計測しています。70-110cm/sが正常範囲とされており、この場合は正常範囲です。

 

頸動脈エコーでわかること IMTについて

頸動脈エコーでは血管の断面が写り、動脈の3層構造が確認できます。血管が狭くなってしまう動脈硬化の場合は、内膜が肥厚します。頸動脈エコーでは内膜と中膜を合わせた部分の厚さ計測します。これをIMTと呼びます。このIMTは小児でも必ず存在します。IMTは健常人だと0.01mm/年ずつ増大していくとされています。高血圧症、脂質異常症、糖尿病ではより増大が早いとされています。

年齢 IMT
30歳代 0.6mm
40歳代 0.7mm
50歳代 0.8mm
60歳代 0.9mm
70歳以上 1.0mm

平均的にはIMTは上の表の値と言われています。1.0-1.1mmをIMT正常上限、1.1mm以上である場合はIMT肥厚と呼んでいます。IMT肥厚は心臓の冠動脈などを含む全身の動脈硬化を示します。IMT1.1mm以上であると、何らかのきっかけでコレステロールが局所的に沈着しプラークを生じたりすることがあります。IMTの進展の予防には、一般的にスタチンという薬が有効とされています。他の動脈硬化因子なども検討し、何らかの医学介入ができるか相談していきます。

 

頸動脈エコーでわかること プラークについて

IMTは頸動脈の全体的な内膜の肥厚を示しますが、局所的に内膜が肥厚していることをプラークと呼びます。プラークはIMT肥厚より少し進んだ段階と言えます。1.1mm以上の内膜の膨らみを軽度プラーク、1.5mm以上の内膜の膨らみをプラークとして指摘しています。プラークがあった際は大きさ、固そうか柔らかそうか、形が滑らかかいびつか、動きがあるか といった特徴を示します。

プラークは血管に突き出た膨らみとして見えます。頸動脈にプラークがあった場合は、体の他の血管にもプラークがあると考えます。プラークが更に進行すると頸動脈狭窄を起こします。

 

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