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心房細動と脳梗塞

心房細動では心房という心臓の部屋の中で血液がよどんでしまいます。血液がよどむため、血液の塊ができてしまいます。血液の塊が何かのきっかけで剥がれてしまい、他の血管に詰まってしまいます。あらゆる血管に詰まりますが、脳梗塞が最も多いです。その他にも心筋梗塞や腎梗塞、下肢動脈閉塞などが生じます。脳梗塞の予防としては、血液サラサラの薬、つまり抗凝固薬の投与が一般的です。若年で併存疾患がなく、脳梗塞のリスクが極めて低いと考えられる一部の方以外は、基本的に抗凝固薬の投与を行います。

 

CHA2Ds2VAスコア

抗凝固薬の投与を行うか決める際に、CHA2Ds2VAスコアを用いています。

Congestive heart failure 心不全もしくは心筋症 1
Hypertension 高血圧症 1
Age 年齢 75歳以上 2
Diabetes mellitus 糖尿病 1
Stroke/TIA 脳梗塞、一過性脳虚血 2
Vascular disease 血管疾患 1
Age 年齢 65歳以上74歳以下 1

当てはまる点数を合計して点数を算出しています。0点である場合は真の低リスクであるとされており、その場合は抗凝固療法は原則的に不要です。1点以上の方は抗凝固療法を行います。なお、初診時にCHA2Ds2VAスコアを全て算出することは困難です。はっきり0点であるか分かるまでの間は、抗凝固療法を行います。

 

血液サラサラの薬について

血液サラサラの薬、抗凝固療法を行った際は、どうしても出血の副作用があります。日常生活で生じるような怪我で出血が止まらないことは基本的にありません。血液検査の後や包丁で指に少し切り傷が入った時などは、押さえれば必ず止まりますので安心して下さい。交通事故で大出血を生じた場合などには出血量が増えますが、そういった事故自体の頻度がまれです。腹部手術などの大きな手術の際は、抗凝固薬を中止することがあります。そういった際はガイドラインが出されており、手術の担当医の指示に従うことになります。他院や歯科で処置を行う際に紹介状を求められることがあります。必要であれば当院で書類を用意しますのでその際はお申し出下さい。抗凝固療法を開始したことにより、必要な手術や処置が受けられなくなることはありません。また抗凝固療法で胃がんや大腸がんができることはありませんが、抗凝固療法により胃がんや大腸がんからの出血が増えることがあります。抗凝固療法を行っている方には一般的ながんの検査を行うようご案内しています。抗凝固療法を行っている際は、脳出血を避けるために血圧をコントロールすることが大事です。当院で血圧についても調整します。出血性副作用は、腎臓の機能が低下している場合や高齢の方に多いです。貧血や肝障害、腎障害の検査のために、少なくとも半年に1回は血液検査を行います。

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