GLP-1によるダイエット：リベルサス
GLP-1ダイエットとは
GLP-1受容体拮抗薬は糖尿病に対して使用している薬です。胃の働きを抑え、食欲を抑える作用があります。そのため糖尿病の方にGLP-1受容体拮抗薬を使用すると、体重が減少することが知られています。糖尿病の薬としては世界中で使われています。
体重の減少効果に注目し、GLP-1受容体拮抗薬を減量目的に使用されることがあります。日本では減量目的のGLP-1受容体拮抗薬投与は保険適応にはなりませんので、自由診療となります。減量目的のGLP-1受容体拮抗薬使用をGLP-1ダイエットと呼んでいます。
＊日本でもBMIや生活習慣病などの特定の条件を満たした際に、肥満の方に対してのGLP-1受容体拮抗薬を保険適応とする流れがあります。「ウゴービ」という薬です。施設の認定基準があり、現状では当院の処方は行っていません。
GLP-1ダイエットの薬について
GLP-1受容体拮抗薬にはいくつか種類があります。
- リベルサス
- ビクトーザ
- オゼンピック
などが挙げられます。使い方などが少し異なりますが、リベルサスは飲み薬である点が特徴です。注射は抵抗があることがあり、簡便な飲み薬を当院では採用しています。
GLP-1ダイエットのスケジュール
初回：リベルサスは肝臓や腎臓の障害、膵炎を起こすことがあります。初回に血液検査を行います。またリベルサスの投与について説明します。
2回目：検査で問題無ければリベルサスの処方を行います。初めて使用する場合は3mgになります。
3回目以降：糖尿病の治療ではリベルサスを7mgに増量し継続します。ダイエット目的の場合は減量効果次第で、3mgもしくは7mgで継続します。
リベルサス投与後3カ月で血液検査を行います。この際の血液検査は保険適応とならないのでご了承ください。
3か月後の血液検査で異常が無い場合も、少なくとも半年に1回の血液検査を行います。この際の血液検査も保険適応とならないのでご了承ください。
GLP-1ダイエットの料金は
| リベルサス3mg30錠80 | 8000円 |
| リベルサス3mg100錠 | 24000円 |
| リベルサス7mg30錠 | 18000円 |
| リベルサス7mg100錠 | 54000円 |
| 血液検査 | 5000円 |
となります。診察料は上記に含みます。
GLP-1ダイエットの効果は
GLP-1ダイエットは減量効果が期待できます。ただ全員に必ず減量効果を認めるわけではありません。吐き気などの副作用が出てしまい、継続できない方も一定数いらっしゃいます。
GLP-1ダイエットを行う際も、ダイエットの基本は適切な食事と運動です。GLP-1受容体拮抗薬を使用しても、暴飲暴食をしていては減量効果を得られません。特に健康に痩せるためには運動が大切です。適切な食事や運動と組み合わせることにより、GLP-1ダイエットの効果が高まります。
GLP-1ダイエットの副作用は
GLP-1受容体拮抗薬の副作用の中で一番多いのは消化器症状です。下痢や吐き気などが起きることがあります。軽度であれば、自然に軽減していくことが多いですが、強い症状の際はご相談ください。GLP-1受容体拮抗薬単独では低血糖を起こすことは少ないとされています。また肝機能障害などを生じることがあり、定期的に血液検査を行っています。
GLP-1ダイエットに対する当院の見解
GLP-1ダイエットは自由診療であり、医療機関や医師によりスタンスが大きく異なります。当院では
- GLP-1受容体拮抗薬が糖尿病の方に対して減量効果が得られることが多い点
- GLP-1受容体拮抗薬による重篤な副作用が少ない点
- 肥満は見た目のみの問題ではなく、将来的な病気のリスクとなる点
の3点から、希望がある場合はGLP-1ダイエットに取り組んでいます。
リベルサスについての注意事項
未承認医薬品である点について
リベルサスは2型糖尿病の治療薬として厚生労働省に承認されています。肥満治療目的での処方は国内で承認されていません。
入手経路について
国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています。
国内の承認医薬品等の有無について
リベルサスと同成分のウゴービが肥満症の治療薬として国内で承認されています。
諸外国における安全性等に係る情報について
同一成分の注射製剤がアメリカ食品医薬品局(FDA)で肥満治療薬として承認されていますが、諸外国でも美容・痩身・ダイエット等を目的とした使用は承認されていないため重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。
医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
