メニュー

認知機能とは

正常な認知機能とは

認知機能とは、記憶・判断・計算・理解・学習・思考・言語などの脳の機能を指します。通常私たちが当たり前のように行っている日常生活は、この認知機能によって行なっています。たとえば夕食にカレーを作って食べるとします。まず最近食べたものは何かを思い出し、何が食べたいか考え判断します。材料に何が必要かを考えたり、夕食の時間を考えると何時に買い物に行けばいいのかを考えたりします。買い物に行ったときは、食材は何が必要かを思い出し選びます。会計をするときはおつりが出ないように計算をして支払います。調理をするときは、作り方を思い出し、段取りを考えて作ります。このように私たちは様々な認知機能を駆使しながら日常生活を送っています。正常に脳が発達した状態であれば意識しなくても行っています

 

認知症の場合

認知症は、「様々な原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったために脳の機能に障害が起こり、日常生活に支障が出ている状態」です。今まで意識せずに行えていたことが認知機能の障害によって簡単に行うことができなくなります。

先ほどのカレーを作ることを例にすると、記憶の障害があることで最近食べたものが思い出せません。夕食を何にしたらよいかすぐに思いつかなかったりして判断に時間を要します。買い物に行った時は、家にどんな食材があって何を買い足せばいいかを思い出すことができなくて悩んでしまいます。計算するのが難しくなるので、レジでおつりが出ないように支払うのが難しくなって戸惑います。段取り良く考えながら調理をすることが大変なので、何から始めていいのか分からなくなってしまったり時間がかかってしまうことがあります。認知症の種類や進行の状態によって異なりますが、今までは認知機能が保たれていたことによって、無意識に行えていたことの一つ一つに時間がかかったり、できなくなっている状態です。

 

正常な認知機能の方と認知症の方のギャップ

認知機能が正常であると、無意識に相手が当然分かるだろうという前提で接してしまうことがあります。これは決して悪いことではありません。認知機能が正常な方が大部分の世の中では、円滑なコミュニケーションのために社会全体としてこの前提を共有しています。

しかし認知症の方の場合は、多かれ少なかれこの前提が通じません。例えば我々はさっき話したことをわざわざ確認したりはしないと思います。認知症が進行すると、さっき話したことを忘れてしまうこともあります。カレーのレシピは通常の認知機能であれば調理できるものですが、認知症だと調理できないかもしれません。そこにギャップが生まれ、認知症の方は社会生活が困難になってしまいます。

 

認知症の方との関わり方

『我々が社会で無意識に使っている前提が通じないかもしれない』ということを意識する必要があります。認知症の程度によりどこまで通じないかは個人差があります。うまく話が伝わらなかったり不自然な言動をしていると感じた時は、不適切な前提を認知症の方に強要していないか考える必要があります。

認知症の方の認知機能を完全に正常に戻すことは困難です。変えるべきなのは我々が認知症の方に無意識に強要している前提です。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME