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てんかん

てんかんは小児の病気と思われている方が多いですが、近年高齢者におけるてんかんが問題になっています。高齢者てんかんはあまり知られておらず、正確に診断されることが少ないです。主に高齢者てんかんを中心に解説します。

 

てんかんとは

てんかんとは脳に異常な電気興奮が生じ、意識障害やけいれんを発作的に起こす慢性的な脳の病気です。てんかんは①特発性か症候性か、②全般てんかんか部分てんかんか という2つの分類があります。

特発性 脳に明らかな病変がない
症候性 脳に病変がある(脳腫瘍、脳梗塞、認知症)
部分てんかん 脳の一部分での発作
全般てんかん 脳全体での発作

と分けられます。

  特発性 症候性
部分

特発性部分てんかん

小児に多く予後良好

症候性部分てんかん

高齢者に多い

全般

特発性全般てんかん

小児に多く、意識を失う発作を起こす

症候性全般てんかん

新生児や乳児に生じる

世の中のてんかんのほとんどは特発性全般てんかんと症候性部分てんかんという2種類に当てはまります。特徴が全く異なり、それぞれ解説します。

 

てんかんは小児の病気?

てんかんについては小児の病気というイメージがあります。実際は小児より高齢者の方が多いです。更に高齢者のてんかんはあまり診断されていません。

 

特発性全般てんかん

特発性全般てんかんは成人前に発症し、25歳以上での発症は稀です。脳の広い範囲で興奮が起き、意識を失い全身が大きく震える発作を起こします。一般的なてんかんのイメージは特発性全般てんかんです。意識障害を伴うので通常救急車で搬送されることが多く、ここでの詳細な解説は割愛します。なお成人で意識障害を伴うけいれんを起こした場合は、てんかんより低血糖、脳腫瘍、脳出血などを考えます。

 

症候性部分てんかんとは

成人、特に65歳以上の高齢者のてんかんはほとんどの場合症候性部分てんかんです。最も多いのはけいれんを伴わない複雑部分発作と呼ばれる発作です。複雑部分発作では意識がボーッとして呼びかけに反応が乏しい状態になります。続いて自動症といって、「手を動かす、歩き続ける、口を動かす」という動作が起きます。その後にぼんやりした状態が続き、元に戻ることが多いです。ぼんやりした状態は数時間から数日続くこともあるようです。症候性部分てんかんの時は、本人には記憶がありません。

よくある経過として「急にぼんやりして呼びかけても反応しなくなった。救急車で救急病院に運ばれたが、大きな異常ないと言われた。その後普段の状態に戻った」というものです。これは症候性部分てんかんの可能性があります。

 

一過性てんかん性健忘と一過性全健忘

いずれも発作性の健忘症状をきたします。一定時間の記憶がなくなり、全く覚えていません。物忘れ外来を受診することがあります。中年から高齢者に発症します。一過性てんかん性健忘は再発しやすく薬で治療が可能という違いがあります。

一過性てんかん性健忘

30分から2時間程度続く

再発しやすい

脳波で異常が見つかることが多い

薬が効果を示す

一過性全健忘

数時間から1日続く

再発はまれ

脳波で異常がない

基本的に薬は投与しない

 

症候性部分てんかんの検査

症候性部分てんかんには原因となる脳疾患が存在します。MRIで原因となる脳疾患を検索します。脳梗塞、脳出血、脳外傷、アルツハイマー型認知症、脳腫瘍などが挙げられます。原因不明のこともあります。てんかん時は異常な脳の電流が生じているはずであり、脳波検査で異常電流を検査するのが一般的です。

最も大事なのは症状からてんかん発作を疑うことです。

 

症候性部分てんかんの治療

症候性部分てんかんの治療は薬物が主です。薬が効きやすいと一般的に言われています。

 

最後に

主に症候性部分てんかんについて説明しました。症候性部分てんかんは稀な病気ではありません。認知症や歳のせいだと思われていることも多いです。症候性部分てんかんは薬が効きやすい病気です。是非思い当たるようならご相談下さい。

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