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どうして心房細動だと血液サラサラの薬を飲むの?

[2022.03.11]
 
心房細動という言葉を聞いたことありますか?心房細動という病気には血液サラサラの薬を使っています。それはなんでなのでしょうか?というのを話していきます。
心房細動と言うのは不整脈の1つです。心房細動の方の多くはワーファリン、リクシアナ、エリキュース、イグザレルト、プラザキサといったお薬を飲んでいると思います。これは血液サラサラの薬、血が固まりにくくなる薬です。不整脈と血液サラサラの薬、一見かけ離れた2つです。どうして心房細動に血液サラサラの薬を使ってるのでしょうかその理由について解説していきます。
血液サラサラの薬を使っている理由は脳梗塞の予防です。心房細動では心臓の上の部屋、心房と呼ばれる部分が不規則に震えてしまいます。有効に収縮できないため、血圧が停滞し淀んでしまいます。淀んだ血液が固まって血の塊、血栓を生じやすく、血の塊が心臓から脳に流れると脳梗塞、心臓に流れると心筋梗塞を生じます。脳梗塞の頻度が高いため、一般的には「心房細動では脳梗塞が起きやすい」と言われています。それを予防するために血液サラサラの薬を使用します。
では全員一律に心房細動の方は血液サラサラの薬が必要でしょうか?若年で合併症のない一部の方は、脳梗塞のリスクが低いため血液サラサラの薬は必要ない とされています。具体的にはCHADs2 scoreという考え方があります。
CHADs2 score
例えば80歳で他に何の病気も無い方は1点、高血圧で糖尿病の方なら2点 となります。さらに65-74歳の方や心臓の他の病気、例えば心筋症の方や心房が拡大している方も脳梗塞のリスクが高いため血液サラサラの薬を内服した方がいいとされています。以前の研究では、CHADs2 scoreの点数の倍の数値が、年間の脳梗塞発症%とされていました。具体的にはCHADs2 1点→年間脳梗塞発症率2% 、CHADs2 2点→年間脳梗塞発症率4% となります。日本ではもう少し脳梗塞の発症率は低いと言われていますが、これは怖い数字です。
まとめますと、心房細動に対して血液サラサラの薬を使う目的は脳梗塞の予防のためです。脳梗塞は麻痺や失語を生じることがある重篤な病気であり、突然起こります。予防法が確立しているため、対象となる方はしっかり治療を受けましょう。以上、「なんで心房細動だと血圧サラサラの薬を飲むの?についてでした。

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