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頭痛は遺伝する?

[2022.02.03]

頭痛を抱える方の中には、「うちの母親も頭痛持ちで、、、」と話す方が多いように思います。糖尿病の家系やがんの家系があるように、「頭痛の家系」というものもあるようです。頭痛の遺伝性について解説します。

 

頭痛の種類

頭痛は脳出血などによる頭痛と、それ以外の頭痛症に分かれます。診療で出会う頭痛のほとんどは、頭痛症による頭痛です。頭痛症は片頭痛と緊張型頭痛が大半を占めます。下のページに解説していますので、片頭痛や緊張型頭痛について細かく知りたい方はお読み下さい。

頭痛、片頭痛

 

片頭痛の遺伝性

片頭痛は20-40歳前後の女性に多い疾患です。頭痛を起こすと吐き気などを生じることが多く、仕事や学校を休む原因となります。

片頭痛は家族内での発症が多く、さまざまな研究の結果遺伝要因の存在はほぼ確実とされています。母親が片頭痛である場合は、娘は30-70%の確率で片頭痛であると言われています。片頭痛は複数の遺伝子と環境要因が関与していると考えられています。環境要因としては、心理的ストレスや睡眠不足、月経周期、食べ物(特にアルコール)が挙げられます。

片頭痛に関与されていると言われている遺伝子が研究されていますが、未だに正確なことはわかっていません。現状では片頭痛の遺伝子は十分解明されておらず、片頭痛診療においては遺伝子診断は有用でないと考えられています。

 

緊張型頭痛の遺伝性

緊張型頭痛は頭痛の原因として最多です。一般的に吐き気などは起こりづらく、生活の支障とはなりにくいとされています。首や肩の筋肉の緊張が関与しているとされています。緊張型頭痛は遺伝性は少なく、環境因子の影響が大きいとされています。

 

その他の頭痛の遺伝性

頭痛症の大部分は片頭痛と緊張型頭痛が占めます。その他にも多くの頭痛症の原因があります。一説には頭痛を来す病気は200種類あると言われています。その中で遺伝性があると言われている頭痛症の原因として、群発頭痛があります。

群発頭痛とは、20-40歳代の男性に多い病気です。強烈な頭痛を生じ、「人類最悪の痛み」と表現されています。

群発頭痛は家族発症が多い病気です。遺伝子の研究では、群発頭痛と関与がある可能性が高い遺伝子が特定されています。ただ群発頭痛については、未だに確実な遺伝子は不明な状態です。

 

結論

Q. 頭痛は遺伝する?

A. 頭痛は遺伝性があります。特に片頭痛は家族内で遺伝することが多いです。稀ですが群発頭痛も遺伝性が示されています。原因遺伝子などはまだはっきりわかっていません。

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