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血圧が上がると頭が痛くなる?

[2022.01.20]

「頭が痛くて血圧を測ったら高かった」といったことをお聞きすることがあります。血圧が上がり頭痛が生じることはありますが、頻度としては非常に稀です。頭痛全体の中で見ると、血圧が原因であることはごくわずかだと思います。高血圧が原因の頭痛について解説していきます。

 

血圧とは?

血圧とは全身の動脈という血管の圧力です。動脈は心臓から体に流れる血液が流れています。数日間の平均家庭血圧が135/85mmHg以上である場合を高血圧症と呼んでおり、一般的に薬剤治療を行なっています。

 

血圧の脳への影響

高血圧症は動脈硬化を進行させます。高血圧症を放置していると脳出血や脳梗塞が生じやすいことが知られています。脳や心臓の病気を予防するためにも、高血圧症はしっかり治療することが大切です。

血圧は1日の中でも大きく変動します。緊張や運動などにより血圧は一時的に上昇します。全力疾走などを行うと、収縮期血圧180-200程度になると言われています。多少の血圧の変化で脳が直接的な影響を受けることはありません。血圧の変動に関わらず、脳の血流が一定に保たれるように体が調整しています。著明な高血圧を生じると、脳の血流圧が上昇します。血圧の影響で頭痛が生じている状態を高血圧性頭痛と呼びます。更に進行すると脳への直接的な影響が起きます。これを高血圧性脳症と呼んでいます。

高血圧性頭痛 高血圧による頭痛
高血圧性脳症 高血圧による頭痛、嘔吐、視覚障害、痙攣など

 

高血圧性頭痛とは?

高血圧性頭痛とは脳の血流圧が上昇することにより起こります。頭痛以外の神経症状は生じません。概ね血圧180/120mmHg以上で生じることがあります。身体活動をすると血圧が上昇し、頭痛が増悪します。血圧が正常化したら頭痛が治ります。高血圧性頭痛か頭痛の影響で血圧が上がっているか不明な場合は、まず血圧を正常化する治療を行います。

 

高血圧性脳症とは?

高血圧性脳症とは脳の血流圧が上昇することにより起こります。頭痛や嘔吐、視覚障害、けいれんや意識障害が起こります。血圧220/120mmHg以上といった著明な血圧上昇時に生じます。180/100mmHg以下ではほとんど起きません。高血圧性脳症は脳自体に障害が生じており、命に関わる非常に危険な病気です。集中治療室に入院して治療を行います。

 

高血圧性頭痛、高血圧性脳症を起こさないためには

血圧の十分なコントロールが大切です。健康診断などで血圧を測り、高血圧症の診断となった場合はきちんと治療しましょう。また塩分を控える、日常的に運動を行う といった生活習慣も高血圧症の予防になります。

 

血圧が上がり頭が痛くなる?頭が痛くなり血圧が上がる?

血圧が上がり頭が痛くなるというのは、高血圧性頭痛や高血圧性脳症を指します。高血圧性脳症は非常に重篤な病気ですが、頻度は非常にまれです。日常診療で出会う「血圧が上がって頭が痛い」と話す方のほとんどは、頭が痛くて血圧が上がっている状態です。

 

血圧が高く、頭が痛いときは?

頭痛の原因には様々なものがあります。くも膜下出血、脳出血、高血圧性脳症といった病気は非常に重篤であり、命に関わることがあります。くも膜下出血、脳出血、高血圧性脳症は血圧が上昇することが多く、この病気の疑いがあるときは緊急で頭部CT検査やMRI検査を行います。通常は頭痛のみではなく、嘔吐や麻痺、意識障害といった症状が合併します。

これらの病気の疑いがない場合は、「頭が痛くなり血圧が上がった状態」です。頭痛に関して治療を行い、落ち着いた段階で血圧を定期的に測りましょう。今までの経過から明らかに高血圧症と診断ができる場合は、高血圧症に対しての治療を行います。

 

下のページで高血圧症や頭痛について解説しています。気になる方はぜひ併せてお読み下さい。

高血圧症

頭痛

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