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昔の日本人の血圧はどれくらいだった?

[2022.02.21]

血圧について様々な研究が進んだのはここ50年ほどです。血圧が注目されるようになったきっかけはルーズベルト大統領が1945年に脳出血で亡くなったこととされています。ルーズベルト大統領が脳出血を起こした時の血圧は300/180mmHgだっとと言われています。当時は血圧を下げる薬はなく、高血圧症についての理解がありませんでした。

太平洋戦争後に高血圧症についての知識や治療が進み、日本人も脳卒中が大きく減少しました。1950-1980年頃は日本人の死亡の最多原因は脳卒中でした。徐々に減少し、現在は1位悪性腫瘍(がん)、2位心疾患、3位老衰に次ぐ第4位とされています。

厚生労働省「脳・心臓疾患等の現状」より

戦前の日本では高血圧症についての認識がなく、当然ながら血圧を測ることもなく高血圧症は放置されていました。正確なデータはありませんが、昔の日本人の血圧について参照できる例から考察していきます。

 

1950年以降の日本人の血圧

1945年にルーズベルト大統領が脳出血で死亡した後、アメリカ合衆国を中心に高血圧症に対する研究が急速に進みました。他の先進国と同様、日本でも血圧の測定や減塩、高血圧症の治療が行われるようになりました。

 

資料:社会実情データ図録(http://honkawa2.sakura.ne.jp/2175.html)

厚生労働省「国民健康・栄養調査」より

 

正確なデータがある1950年代以降は、日本人の血圧は徐々に下がってきています。血圧が下がっている原因は

  1. 塩分摂取量を控えるようになっている。
  2. 高血圧症の治療が普及している。

という2つの点になります。厚生労働省のデータでは食塩摂取量は徐々に低下しています。

資料:社会実情データ図録(http://honkawa2.sakura.ne.jp/2175.html)

厚生労働省「国民健康・栄養調査」より

 

戦前の日本人の血圧

戦前は血圧についての正確なデータはありません。戦前はそもそも血圧という言葉もありませんでした。ただ日本人は元々塩分摂取量が多い民族であり、血圧は高値だったと予想されています。当然ながら高血圧症の薬もありませんでした。

日本史上の偉人の中には脳卒中を起こしたと推測されている方が複数いらっしゃいます。例を挙げると徳川吉宗や源頼朝、山内一豊は文献上手足に麻痺があったという記述があり、脳卒中だったと言われています。脳卒中の最大の原因は高血圧症です。高血圧症が脳卒中の原因だったのかもしれません。日本史上の著名人の中で血圧が高かったとはっきり言われているのは上杉謙信です。

上杉謙信は49歳時にトイレで倒れて亡くなったとされています。毎日アルコールを飲んでおり、おつまみとして梅干しを食していたと言われています。塩分摂取量が多いことは容易に予想され、高血圧から脳卒中を起こしたのではないかと言われています。(確実な情報ではなく、他殺されたというような説もあります。)

 

昔の日本人の血圧

「昔の日本人の血圧は現代より高かった」ことは確実視されています。そのため現代では脳卒中が大きく減少しました。私の先輩の医師からも「数十年前は血圧200を超える人が結構いた」という話を聞いたことがあります。現代は減塩と薬により高血圧症の治療は大きく改善しています。

是非血圧に関して気になる方は、高血圧症の診療を行なっている医療機関を受診下さい。

高血圧症

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