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心筋梗塞になると何が起きる?【循環器内科医による解説】

[2022.07.22]

 

『心筋梗塞になると何が起きる?』というテーマで解説していきます。

 

心筋梗塞とは

まず心筋梗塞とは心臓の血管が詰まってしまう病気です。現代の日本でも心筋梗塞が起きると3人に1人が命を落としてしまいます。心臓の血管には血液が流れています。血液には酸素や栄養が含まれていて、心臓の筋肉に酸素や栄養を送っています心臓の血管が詰まってしまうと、血管の先に血液が流れなくなります。詰まった血管の先の部分に酸素や栄養が送られなくなるため、その部分が壊死してしまいます。

壊死は時間と共に進行します。おおむね12-24時間で心臓の筋肉は完全に壊死してしまいます。心筋梗塞の主な症状は胸の痛みです。特徴として

  • 20分以上続く胸の痛み
  • 腕全体が締め付けられる
  • 胸だけではなくて歯や喉、肩、みぞおち、背中などが痛く感じることもある
  • 冷や汗や息苦しさ、吐き気などを伴うことがある

という胸痛を生じることが多いです。

 

心筋梗塞の合併症

心筋梗塞で3人に1人が命を落としてしまう理由は、合併症を起こすからです。心筋梗塞の合併症は主に3つあります

  1. 心不全
  2. 不整脈
  3. 機械的合併症(後で解説します)

の3つです。

 

1.心不全

心筋梗塞により心臓の筋肉が壊死してしまい、心臓のパワー(血液を送り出す力)低下してしまうことによって心不全が起こります。心不全が起きると息切れや呼吸困難、むくみなどが起きます。

 

2.不整脈

心筋梗塞の急性期、心筋梗塞を起こして数時間以内は致死的不整脈(命に関わる危険な不整脈)を起こすリスクがあります。心室細動と呼ばれる不整脈です。心肺停止状態となってしまうため、心臓マッサージや電気ショックの治療を行います。不整脈は心筋梗塞発症数時間以内の主な死亡原因になります。

 

3.機械的合併症

心臓の一部に穴が開いたり、心臓の筋肉が切れてしまうような病気です。心臓に穴が開いてしまうと心破裂が起きることもあります。機械的合併症に対しては基本的に手術を行います。

 

まとめ

心筋梗塞になると時間とともに心臓の筋肉が壊死してしまいます。心不全や不整脈などで命を落としてしまうこともあります。心筋梗塞の治療は時間との戦いです。1時間治療が早くできると救命率が大きく向上します。救命率だけではなくて、将来的に心不全になるかどうかも治療が早くできるかで大きく変わります。

もし胸の痛みが生じたら急いで救急車を呼ぶようにしましょう。何時間も家で様子を見ると手遅れになってしまうこともあります。

以上『心筋梗塞になると何が起きる?』についてでした。

 

下記のページでも心筋梗塞について解説していますので、よければお読み下さい。

狭心症/心筋梗塞

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