不整脈ってどんな種類がある?
不整脈ってどういう種類があるのかということについて解説していきます。
はじめに
不整脈は正常ではない脈です。正常な脈は規則正しく『ドクン、ドクン、ドクン』という脈ですが、不整脈は規則正しくない脈です。不整脈と一口に言っても多くの種類があります。不整脈を大きく4つに分けようかと思います。
- 脈が速い不整脈
- 脈が遅い不整脈
- 脈が飛ぶ不整脈
- 脈がバラバラになる不整脈
それぞれについて解説します。
1. 脈が速い不整脈
正常な脈拍数は1分間に50-100回です。1分間に100回を超える場合、頻脈と呼びます。注意する点として、緊張や運動なので脈が上がることがあります。もし脈が100回以上だった場合は、焦らず数分安静にしてからもう一回測りましょう。頻脈を起こす不整脈には
- 洞性頻脈:電気の流れは正常だが、脈が100回を超えている
- 上室性頻拍:心房という心臓の上の部屋から異常な電気が生じて頻脈になってしまう
- 頻脈性心房細動:心房細動という脈がバラバラになってしまう不整脈が原因で脈が速くなってしまう
- 心室頻拍:心室という心臓の下側の部屋から異常な電気が生じて頻脈になってしまう
という4つがあります。心室頻拍は意識を失ってしまったりするような重篤な不整脈です。上室性頻拍や頻脈性心房細動でも、脈拍数180回程度の高度な頻脈を生じると胸痛や意識消失を起こすことがあります。洞性頻脈で意識消失などを起こすことは通常ありません。
2. 脈が遅い不整脈
1分間に50回を下回る場合に徐脈と呼んでいます。徐脈を起こす不整脈は
- 洞不全症候群:洞結節という心臓の電気の起点になる場所の働きが落ちてしまい、徐脈を起こす
- 房室ブロック:心房という上の部屋から心室という下の部屋にうまく電気が伝わらなくなって徐脈を起こす
- 徐脈性心房細動:心房細動という脈がバラバラになってしまう不整脈が原因で脈が遅くなってしまう
の3つがあります。
3. 脈が飛ぶ不整脈
脈が飛ぶ不整脈では正常なタイミング以外で脈が出現してしまいます。心電図で表すとこういった形になります。
ドクン、ドクンと一定のリズムが正常な脈より早いタイミングで不整脈が出現してしまいます。これを期外収縮と呼びます。期外収縮には上室性期外収縮と心室性期外収縮の2種類があります。
- 上室性期外収縮:心房という心臓の上の部屋から異常な電気が生じて期外収縮が生じてしまう
- 心室性期外収縮:心室という心臓の下の部屋から異常な電気が生じて期外収縮が生じてしまう
4. 脈がバラバラな不整脈
脈がバラバラな不整脈は心房細動です。心房細動は脳梗塞や心不全の原因になるような悪性の不整脈です。下のページで心房細動について解説していますので詳しくはそちらをご覧ください。
まとめ
不整脈と一口に言っても様々な種類があります。ここであげた中でもこの10種類です。
- 洞性頻脈
- 上室性頻拍
- 頻脈性心房細動
- 心室頻拍
- 洞不全症候群
- 房室ブロック
- 徐脈性心房細動
- 上室性期外収縮
- 心室性期外収縮
- 心房細動
さらに細かく取り上げていませんが
- 心房細動
- 心房頻拍
- 心室細動
などの不整脈があります。それぞれによって原因も治療も異なります。不整脈と言ってもたくさんの種類がある、ということが大事なポイントです。以上「不整脈ってどんな種類がある?」についてでした。
下のページで不整脈について解説しています。よければお読み下さい。