メニュー

コレステロールって何が悪いの?

[2022.04.09]

 

コレステロールって何が悪いのかということについて解説していきます。コレステロールとは人体に欠かせない成分の一つです。細胞の膜やステロイドホルモンの材料になります。体に欠かせない成分なんですが、血液の中にコレステロールが過剰になってしまうと動脈硬化を引き起こします。

 

脂質とは

脂質というのはコレステロールと中性脂肪に大きく分かれます。コレステロールはその中でもLDLコレステロールとHDLコレステロールに分けられます。

脂質 コレステロール LDLコレステロール
HDLコレステロール
中性脂肪  

LDLコレステロールは悪玉コレステロールと一般的に呼ばれていて動脈硬化を引き起こす作用があります。HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれることもあります。しかし現在では必ずしも良いことをするという訳ではないんじゃないかと議論されています。

 

LDLコレステロールとは

LDLコレステロールは

119以下 正常
140以上 脂質異常症

と診断しています。ちなみにHDLコレステロールは40未満で脂質異常症と診断しています。

LDLコレステロールは動脈硬化と密接に関与しています。LDLコレステロールは肝臓で作られ体の各細胞に、血液を通って運ばれます。しかし血液中にLDLコレステロールが多いと動脈硬化を起こします。そのためLDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれています

 

LDLコレステロールが動脈硬化を起こす機序

では動脈硬化はどのように起きるのでしょうか?動脈硬化を簡単に示しています。

まず①の段階は動脈硬化がない状態です。血管に血液が流れていますが高血圧などで血圧が高いと血管の壁に圧力が加わります。また炎症などによって血管に小さい傷が付きます。

②の段階は動脈硬化ができています。血管の小さい傷にコレステロールが入り込みコレステロールが徐々に血管に蓄積していきます。よく見るとコレステロールが血管の壁の中にあってコレステロールの外側に薄い膜があります。何かのきっかけでその薄い膜が破れてしまうと③になります。

③の段階はコレステロールの外側の薄い膜が破れます。そうすると大量のコレステロールが血管の中に出てきます。そうすると血管が詰まってしまいます。心筋梗塞などはこのようにして起きると言われています。

 

The lower, the better

LDLコレステロールに関してはこんな考え方があります

The lower, the better

日本語に訳すと

『低ければ低い方がいい』

これは心筋梗塞になった人などに対する考え方です。LDLコレステロール100の方が心筋梗塞を起こした場合は

LDLコレステロールをもっと下げた方がいい」

と言われています。コレステロールが低すぎる副作用は現実的にはほとんどありません。LDLコレステロール10-20でもほとんど問題ないとされています。注意する点としてはコレステロールを下げる薬の副作用はあります。コレステロールが下がることによる副作用はありません。

 

動脈硬化を防ぐために

動脈硬化を防ぐために2つ方法があると思います

  1. 血管に小さい傷をつけない
  2. 血液中のコレステロールを減らす

血管に小さい傷をつけないためには血圧をコントロールして血管の中の炎症を抑える必要があります。ただ血管の小さい傷は色んな原因で起きます。血管の傷を完全に予防するのは現実的には難しいとされています。

②の「血液中のコレステロールを減らす」

この方法が最も有効で確実であるとされています。

そのため

動脈硬化を予防するためコレステロールを下げる

さらに言うと

コレステロールを下げれるだけ下げる

というのが今の考え方です。

 

まとめ

コレステロールの中でもLDLコレステロールは動脈硬化を引き起こします。LDLコレステロールは低ければ低い方がいいです。とは言っても薬自体の副作用があります。動脈硬化が全くなく脂質異常症でもないという方はあえて治療する必要はもちろんありません。ただ動脈硬化がある方、例えば心筋梗塞を起こした方、脂質異常症の中で一定以上LDLコレステロールが高い方はしっかり治療するようにしましょう。

以上

コレステロールって何が悪いの?についてでした。

下のページで脂質異常症について解説しています。良ければお読み下さい。

脂質異常症

脂質異常/高脂血症外来

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME