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アルツハイマー型認知症の特徴は?

[2022.05.17]

 

アルツハイマー型認知症の特徴について説明していこうかと思います。

 

アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症は認知症の6-7割を占める疾患です。糖尿病や高血圧症などがアルツハイマー型認知症のリスクになります。一般的には75歳以上の高齢者に多い病気になります。

 

アルツハイマー型認知症の原因

アルツハイマー型認知症はタウ蛋白とアミロイドベータ蛋白という2つのタンパク質が関与して起きます。2つのタンパク質が脳に溜まってしまって、脳の神経細胞に障害を及ぼします。脳の神経細胞が少しずつ減ってしまうため、脳の機能が低下し、認知症を生じます。

 

 

アルツハイマー型認知症の症状

アルツハイマー型認知症は脳の海馬という部分から起こります。脳の海馬は記憶を司っている部分です。そのためアルツハイマー型認知症の最初の症状は、もの忘れが多いです。アルツハイマー型認知症が進行していくと、脳の海馬から他の部分に少しずつ病気が進行していきます。例えば脳の後ろの部分に広がってしまうと、空間を把握する能力を失ってしまって道に迷いやすくなってしまいます。脳の前の部分に病気が進行すると、性格が変化してしまったりします。

 

アルツハイマー型認知症のもの忘れの特徴

アルツハイマー型認知症は脳の海馬に支障を来たすためもの忘れを起こしますが、昔のことは思い出せることが多いです。厳密にはアルツハイマー型認知症で障害されるのは、記憶する能力です。なので以前に記憶していたことを思い出すことは可能なことが多いです。アルツハイマー型認知症がある程度進行しても、昔から慣れた作業(例えば掃除や料理)はできることが多いです。

 

アルツハイマー型認知症で寝たきりになる?

アルツハイマー型認知症は単独では歩行障害や麻痺などを起こすことは基本的にありません。アルツハイマー型認知症で寝たきりになってしまったり、歩けなくなってしまったりしてしまう ということはあまりないです。かなり進行してしまって全く会話ができなくなってしまって、結果的に体力が落ちてしまうことはあります。しかし日常会話や意思疎通がしっかり取れるアルツハイマー型認知症の方が、アルツハイマー型認知症のみで寝たきりになってしまったりすることは基本的にはないと思います。

 

アルツハイマー型認知症の進行

アルツハイマー型認知症はゆっくりと時間をかけて進行します。少なくとも年単位で進行する病気です。進行していくともの忘れ以外の症状、時間や場所がわからなくなってしまって迷子になってしまったり、性格が変化してしまうことが起きます。

認知症というと『何も分からない状態』というイメージを持っている方もいらっしゃると思いますが、そういった状態はアルツハイマー型認知症のかなり進行した例です。アルツハイマー型認知症は、発症から10年程かけて進行すると言われています。10年のうちの大半の期間は、もちろん会話もできますし意思疎通もできます。自分でトイレに行ったり買い物に行ったり可能です。個人差がありますが、8-12年程かけてゆっくり進行します。最終的に脳の機能が低下して会話や意思疎通ができなくなり、寝たきりになって命を落としてしまう と言われています。

備考

※確かに高度のアルツハイマー型認知症で、何か話しかけても反応がない方がいらっしゃいます。一見『何も分からないような状態』に見えます。ただそういった方が本当に『何も分からない状態』とは断言できないと思います。よく見ると表情をわずかに変化させていたりすることがあります。反応が分かりにくかったりうまく会話ができないだけで、『何も分からない状態』ではないこともあります。基本的にはどれだけ高度のアルツハイマー型認知症の方であっても、『何も分からない状態ではない』と考えて対応するのが倫理的に正しい対応だと考えます。

 

以上アルツハイマー型認知症の特徴についてでした。下のページで認知症、もの忘れ外来について解説しています。よければご覧下さい。

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