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BNPとは?高いと心不全になる?【循環器専門医が解説】

[2024.12.09]

 

BNPとは

BNPとは血液検査の値です。BNPの正式名称は「脳性ナトリウム利尿ペプチド」です。心臓に負担がかかると上昇します。

例えば呼吸が苦しい人がいるとします。レントゲンで肺が白くなっている。この場合は肺炎か心不全が考えられ、どちらか判断に迷うことがあります。ここで血液検査でBNPの値を確認し、上がっていれば心不全、低ければ心不全ではなさそうなので肺炎かな と考えます。

 

BNPはいくつから異常?

最近は心不全の治療効果判定や生活習慣病のリスク評価に使われています。心不全の人にうまく治療ができるとBNPの値が低下します。BNPを指標に薬を調整することもあります。

BNPの正常範囲は18.4未満です。18.4-35はボーダーライン BNPは個人差が多少あり、心疾患がなくても高い人がいます。35以上は要精査、特に100以上は既に症候性心不全かそれに準じた状態の可能性が高いとされています。

 

BNPを用いた生活習慣病治療

生活習慣病、高血圧症や糖尿病は心不全のリスクとされています。現在は心不全は症状が出る前の段階から評価し可能なら治療するようになってきています。以前は苦しくなって入院して初めて心不全と言われることが多かったですが、それはあまり望ましくない状況です。高血圧や糖尿病の人に、症状がない段階からBNPを測定しリスク評価しています。この図で見ると高血圧症や脂質異常症で薬を飲んでいる人はすでに心不全ステージA以上です。症状がなければステージC/Dでは無いです。ステージAなのかBなのか評価する際にBNPを測定しています。BNPが高値で例えば心エコーで心肥大を起こしている場合は、そのままでいると症状のある心不全に移行してしまうリスクが高いです。ステージBの中でもステージCに近い方、例えばBNP100くらいである程度の心肥大があるような人はステージCに準じた治療をしています。

心不全は特別な病気ではなく、生活習慣病から連続的に移行する病態として捉えられています。息が苦しいなどの症状がなくても、BNPが高かったりする場合はぜひ近くの循環器内科を受診ください。

 

 

 

心不全外来

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