小児片頭痛
片頭痛とは
片頭痛は周期的に頭痛を起こす病気です。頭痛発作により年に数日寝込んでしまい、学校や仕事を休むことがあります。アメリカでは片頭痛による経済損失は年に1-2兆円に上るとされています。
片頭痛は子供にも起きる?
片頭痛は典型的には思春期から若年にかけて最初の発作を起こします。10-20歳で始まることが多いですが、更に若年で頭痛発作が始まることもあります。しっかり頭痛を表現できる5歳前後で度々頭痛を訴える子供が、その後片頭痛の診断に至ることもあります。小中学生の1割程度が片頭痛という報告もあり、子供にとっても片頭痛は珍しい病気ではありません。
子供の片頭痛の特徴
子供の片頭痛は、発症時間が短く頻度も少ない傾向があります。月に10回以上片頭痛発作をきたすケースはあまりありません。片頭痛は自律神経症状を合併するため、吐き気やめまいを起こします。特に小児の場合は嘔吐や腹痛などの症状が大人と比べて出現しやすいです。
子供の片頭痛の治療
片頭痛の治療は大人に準じます。いくつかの薬は子供には使用できません。子供の片頭痛は一般的な痛み止めが効きやすいとされています。
子供の片頭痛の問題点
大人と同様、子供も片頭痛発作を起こすと動きや音、光などの外部刺激を避けようとします。中等度以上の発作では、学校を休みます。正確に片頭痛を診断し周囲が理解しないと、「サボリ」や「仮病」などと誤解されてしまう場合があります。片頭痛をきっかけに不登校に至ってしまう場合もあります。
子供の片頭痛は正確に診断されていることが少なく、周りに正しい知識を持っている方があまりいません。大人のように自分で調べて頭痛外来を受診することも少ないです。小学生低学年や未就学児である場合、自分の症状をしっかり説明できないこともあります。
さいごに
社会全体として子供の片頭痛をしっかり理解していくことが、子供の未来を守ります。子供の片頭痛は決して稀な病気ではありません。気になる症状がある場合は近くの頭痛外来へご相談ください。