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糖尿病の薬物治療

糖尿病の薬物治療は下記の薬剤を主に用いています。それぞれ特徴があります。近年の糖尿病治療は血糖を下げるのみでなく、いかに安全に合併症を防ぐかに主眼が置かれています。

 

ビグアナイド

世界的に第一選択となっている薬剤です。インスリンの効きをよくする効果があります。神経症や網膜症、腎臓病といった種々の合併症や心血管病を防ぐ効果があります。腎臓の機能が低下している方や75歳以上の高齢の方には、投与に注意が必要とされています。副作用としては、稀ながら乳酸アシドーシスという副作用が報告されています。また造影剤を使用したCT検査やカテーテル検査の時には休薬が必要です。

 

SGLT2阻害薬

糖分を尿として排出する薬剤です。糖分を体外に排出することにより血糖値を抑えます。用量にもよりますが、1日200kcal程度のカロリーが排出されます。体重減少効果があります。種々の合併症や心血管病を防ぐ効果があり、一部の薬剤は心不全や慢性腎不全に対しての適応があります。より早期にSGLT2阻害薬を使用し、インスリン分泌を温存することが糖尿病に対して最も大切だと考えています。

副作用としては、尿に糖が出現するため膀胱炎になりやすくなります。またカロリーが減るため適切な栄養を摂取しないと体力が低下すると予想され、筋肉量が低下している場合は注意が必要です。また炭水化物を抜くような過度な食事制限をする際は必ず教えて下さい。

 

DPP4阻害薬

DPP4阻害薬はインスリン分泌を助け血糖値を抑える薬剤です。メトホルミンやSGLT2阻害薬が種々の理由で使用できない時、メトホルミンやSGLT2阻害薬で効果が不十分で追加する時に使用しています。なお後述のGLP1受容体作動薬と共通の作用機序であり同時に処方することができません。

 

GLP-1受容体作動薬

GLP-1受容体拮抗薬はインスリン分泌を助け血糖値を抑える薬剤です。DPP4阻害薬と共通の作用機序です。この薬はインスリンなどのホルモン分泌を改善させ、食欲を抑える作用があります。食欲を抑えるため、痩せるための薬として自由診療で用いられています。本来のGLP-1受容体作動薬の目的は糖尿病の治療です。種々の合併症と共に、心筋梗塞や脳卒中を防ぐ作用があります。週1回の注射薬を主に用いています。ご自身で注射して頂く必要があります。注射は当院で指導致します。注射である点を許容できる場合は、DPP4阻害薬よりGLP-1受容体作動薬を優先して使用しています。

 

インスリン

インスリンは血糖を下げる体内のホルモンです。糖尿病が進行するとインスリンが体内で不足し、高血糖状態が続きます。インスリン注射は体外から注射でインスリンを補う治療です。血糖は低下します。頻回の注射が必要、低血糖が生じることがあるなどの制限があります。厳密なインスリンのコントロールが必要な時は対応可能な病院に紹介しています。

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