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塩分が血圧を上昇させるメカニズム

少し専門的な話であり、興味がある方のみお読み下さい。

血圧上昇と最も関連があるものは塩分です。塩分とはNaClです。摂取したNaは尿として体外に排出する必要があります。

 

塩分が体内で過剰だと起こること

Naが過剰であると、Naを排泄するために腎臓でより多くの血液を尿にしなければいけません。体は血圧を上げて、腎臓に流れる血液(正確には糸球体で濾過する血液)を増やそうとします。つまり「塩分を摂ると血圧が上がる」という表現は厳密には間違いで、「塩分を排出するため体が血圧を上げている」という表現が正しいです。当初は塩分過剰摂取による血圧の一時的な上昇ですが、繰り返すうちに血管に過剰な圧力がかかり微小な損傷や炎症が生じます。元々柔らかい血圧が硬い組織に置き換えられ、血管が硬くなっていきます。これを血管が固くなる動脈硬化と呼びます。

最初は塩分の過剰摂取で生じた血圧上昇により、血管が固くなる動脈硬化が起こります。動脈硬化により更に血圧が上昇するという悪循環に陥ります。腎臓のホルモンや喫煙、運動不足などの因子も関わり、実際にはもっと複雑な病態とされています。

塩分過剰摂取→血圧上昇⇄血管が固くなる動脈硬化

 

血圧上昇の主な原因が塩分過剰摂取とされている根拠は下の図です。

いずれも過去の研究ですが、塩分摂取量と血圧には明確な比例関係があります。つまり「塩分摂取が多いと血圧が上がりやすい」となります。実際ブラジルの原住民ヤノマモインディアン、エスキモー、ピグミー族、オーストラリアの原住民達は高血圧症の方は1%以下です。いずれの民族も塩分摂取量が1日0.5-3gと非常に塩分摂取量が少ないです。人類の必要な塩分摂取量は1日0.5-2.5gと言われています。日本を始めとした先進国では、塩分摂取量が1日6-10g程度と言われており、世界的に塩分摂取過剰が問題になっています。

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