脳と生活のサポート外来
脳と生活のサポート外来の目標
- MCIの方:認知機能低下があっても、社会資源を活用し、予防的な取り組みを行いながら、認知症へ進行せずに生活を送ることができるようにする
- 認知症の方:認知症と診断されても、生きる希望を持ち、本人らしさが尊重された療養生活を継続できるようにするため
脳と生活のサポート外来の対象
- 当院もしくは他院で認知症という診断を受けている方
- 当院でもの忘れ外来を受診し、MCIの診断を受けた方、もしくは、検査の結果認知機能の低下はないが、物忘れが心配な方
脳と生活のサポート外来の概要
毎週金曜日 午前9:00~12:30
完全予約制で行っています。1人30分を予定としています。
主に認知症看護認定看護師が担当となります。
脳と生活のサポート外来の内容
認知症の治療目的は、「認知症の進行を緩やかにして生活の質を保つ」ことです。そのためには薬物治療より、非薬物治療の方が効果が大きいと言われています。具体的には
- 患者様やご家族の生活の様子を伺い一緒に対応策を考える。
- 利用可能な社会サービスを紹介し導入する。
- 生活習慣病を含む身体疾患の管理
といったことが主な内容になります。家族や金銭的な問題といったプライベートな内容に対しても、お困りであれば可能な範囲でお応えします。
MCIは、軽度認知障害MCI(Mild Congnitive Impairment)と言います。MCIとは正常と認知症の中間と言われています。認知機能が低下しているものの、日常生活への影響は無い、もしくはごく僅かである場合をMCIと言います。日本には400万人以上のMCIの方がいらっしゃると言われています。MCIは症状が進み認知症に進行してしまうことがあります。1年後の10%の方が認知症に移行してしまうと言われています。
MCIから認知症への移行を防ぐためにはMCIは認知症の前段階と考えられています。MCIに有効性が示されている薬はありません。
- 生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、糖尿病)の治療をしっかり行うための生活についての相談を行う
- 脳を活性化させるための活動方法の提案や情報提供を行う
- 患者様やご家族の生活の様子を伺い一緒に対応策を考える
といったことが主な内容になります。万が一認知機能低下が進行し、不安がある場合は医師と相談し、検査や治療を行っていきます。
さいごに
認知症は「診断されたら人生もう終わり」というマイナスイメージがありますが、決してそんなことはありません。早く診断を受けることで、症状の進行を遅らせることができたり、自分の思いを希望に合わせた、穏やかな生活を送ることができます。
当院の認知症看護外来は患者様やご家族と一緒に、より穏やかに生活できる方法を考えたり、将来について、本人の意見を尊重しながら本人を支えるみんなで話し合いができる場にしたいと考えております。専門的な視点から、認知症があっても、その人が希望を持って生活ができる方法を一緒に考えていきたいと思っております。ぜひ、気軽にご相談ください。